唯一無二の私小説家・西村賢太

 昨夜は何かと胸騒ぎがして、眠ることができなかった。違和感の中迎えた今日の昼過ぎ、西村賢太氏の訃報が飛び込んできた。LINEニュースの速報通知だった。疲れ果てて昼寝していたが、一瞬で目が覚めた。
 西村賢太。私が最も好きな作家である。彼自身の身を削るような魂のこもった作品に、独特文体と言葉選びが、ユーモアを呼び起こす。私は、彼の作品が発売されるたびに、買い求めた。文芸誌に掲載されたときは、一人、図書館で熟読した。とくに高校時代、落ちこぼれに程近い状況であった私は、朝のHRや休み時間に西村賢太先生の作品を読みながら、思わずニヤニヤした顔をしていた。
 真の"挫折"や"敗北"、ひいては"屈辱"を知る優しい男がこの世から、去ってしまった。私自身、強い思い入れのある作家が亡くなったことが信じられず、非常に悲しい。先生に一度、お会いしてみたかった。
 西村賢太先生、ありがとうございました。恐らく、先生は世間の反応(コメント)や投稿を嫌がっているのではないだろうか(笑)

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