憤慨地蔵

魂の文筆

憤慨地蔵

魂の文筆

最近の記事

唯一無二の私小説家・西村賢太

 昨夜は何かと胸騒ぎがして、眠ることができなかった。違和感の中迎えた今日の昼過ぎ、西村賢太氏の訃報が飛び込んできた。LINEニュースの速報通知だった。疲れ果てて昼寝していたが、一瞬で目が覚めた。  西村賢太。私が最も好きな作家である。彼自身の身を削るような魂のこもった作品に、独特文体と言葉選びが、ユーモアを呼び起こす。私は、彼の作品が発売されるたびに、買い求めた。文芸誌に掲載されたときは、一人、図書館で熟読した。とくに高校時代、落ちこぼれに程近い状況であった私は、朝のHRや休

    唯一無二の私小説家・西村賢太