そらとあそぶ日
かな かな かな!
あさ あさ あさ!
かな かな かな!
おきて おきて おきて!
かな かな かな!
さあ さあ さあ!
かな かな かな!
いこう いこう いこう!
あさはやく ヒグラシたちに せかされて
カーテンごしの まどのそと
あ、ほんとだ!
お天気予報は 雨だったのに
ひろがる空に ひかりの予感
じーじー じーじー!
ほら ほら ほら!
じじじじじー!
いこうよ いこうよ!
セミたちも 朝を歌いあげ始めると
わたしは 帽子を つかみ
はじまりの くうきの なかへ
夏虫たちの のびやかな
陽気な 音楽をききながら
いなかみちを てくてく あるき
ふたつ目の 角をまがる
田んぼみちから みあげる空は
息をのむほど 神々しくて
山々の向こうに みなぎる
ひかりの 気配
早起きのとんぼが 舞い
黄金色の雲が かけ足で
ながれていく
深い 灰色の雲のなか
やさしく ふくらむ
ももいろの 綿雲たち
あざやかに ほとばしる
きんぴかの ひかり雲
何層もの 雲たちが
くりひろげる ひかりの舞は
刻々と 変化し
自由で
どの瞬間も
おどろきに みちている
あぁ その とくべつな
朝日の のぼる 山際だけは
空は 雲を のせることなく
おひさまは その
とくべつな 舞台に
颯爽と あらわれる
ぐんぐん ぐんぐん
ぐんぐん ぐんぐん
ぐんぐん ぐんぐん
ひかりを のばし
みるものを みな
とりこに してしまう
それから まもなく
そらは 予報どおりに
雨雲を 全体に配置して
ざーざー びゅうびゅう
大地のすべてに 雨をそそいだ
つばめが2羽
雨のなかを くるくる じゃれあいながら
飛んでいった
そう、たまには 雨だって
たっぷりと 浴びたいよ
わたしもその ただなかで
帽子も ぬぎすて
ひさしぶりに 全身 ぐっしょり
雨を あびると
なんだか 笑いが こみあげてくる
あぁ なんて すてきな朝!
朝焼けと 雨と つばめ
土のにおいと 風の音。