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後世に残すための仕事
とあるお客様のご要望で、後継者育成のために使用するテキストを作っています。
タイトなスケジュールのもとで進めていますが、作っているこちらは非常に楽しく、そして今までにない責任感とともにあります。
いままで弟子をとったことがなく、何を教えればいいかわからない職人さんだから、当然かもしれません。
もちろん、その方にとっては初めての取り組み。
双方が手探りの状態ですが、お客様からすればご自身の人生の集大成にもなるもの。
ご自身でもおっしゃっていましたが、遺書に相当すると考えて差し支えないでしょう。
正式な遺書ではありませんが、今まで培ってきたものを外向きに、何かしらの形で放出することは遺書に等しいと思っています。
お客様も「私たちにとっては、後世に残すための大仕事なんです」とおっしゃっていました。
まさか整備士の傍らでやっていた副業が、こんな形でお話をいただけるなんて思ってもみませんでしたからね。
人生、何が起こるかわかりません。
そもそものきっかけは、一度別の企画を担当させていただいたことにさかのぼります。
出来上がった取材記事をご覧いただき「今までの記者さんよりずっと勉強してきている」と思っていただいたようです。
お客様に関する情報が、いい面も悪い面もネットの海には転がっていました。
そして業界のことなども数多く書籍化されていたため、当時の企画のために数冊の本を手にして勉強しています。
おそらくそこを評価していただいたのだと思うのですが、私の中ではこんな責任のあるお仕事を任されるなんて思っても見ていませんでしたからね。
後世に残すものを仕上げるにはそれ相応の知識が必要だと思っています。
そしてお客様になり変われるぐらいのヒアリングと情報収集。これでしょうね。
私が完璧にできているとは言いませんが、少なくともこれから次世代のために何か残したいという人は少なくないと思います。
そんなときに、我々、とくにインタビューを中心にしている人はその真価を試されるタイミングなのではないでしょうか。
インタビューの諸先輩方に怒られてしまうかもしれませんが、愚直にやっていてよかったと感じています。
その代わり、責任も超重大です。
なにせお客様からすれば一世一代のものですので……。
責任を感じつつ、私の中で「なにか」が燃えていることは間違いないんですけどね。
情熱だけではない、別のなにかです。
ちなみに作成過程の発信や完成後の作品(?)は実績として使ってもいいと向こうからおっしゃっていただいています。
同じ仕事を受けるかは別ですが、完成後にお披露目できますと幸いです。
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