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物書きが人前で話すことを決心した話 ~その①~

私は元来、人前で話をすることに抵抗を感じない人です。それならまだいいものの、なんと緊張したことがないという変人。この特性が100人に1人いる事実を聞かされるのは、もうちょっと後のお話です。


私が人前で話をする最初の機会をいただいたのは、2023年2月のことでした。

年度末の忙しい時期であり、娘の卒園を控えていた時期でもありましたが、私は所属する商工会青年部の全体会に参加。地域の経営者とかかわりができるこの会は、今の私にとって居心地のいい場所になっています。

入った当初はそうでもありませんでした。

よそ者で入ってきた私は、当然紹介者以外の知り合いはおらず、私のビジネスも「よくわからないもの」と認識されていました。

とにかく関わりを持たないとわかってもらえない――

徐々に仕事内容を理解を示してくださる方も増えていましたが、そこはやはり経営者団体。「稼げるの?」とか「需要あるの?」とか、興味をもって聞いてくださる反面、ライターの仕事の不安定さを心配する人が多かったと思います。

そして、少しずつ、青年部活動に参加するようになってようやく仲のいい人もできてきたのです。

そんなこともあって、私は何か自分の仕事を広く知ってもらうにはどうしたらいいかを考えていました。仕事につながる・つながらないはともかく、ライターとはどんな生き物なのかを知ってほしかったんだと思います。


そのタイミングで、青年部の偉い人(あえてこう書きます)から「地元の高校で授業をしないか」という提案が会議で出されました。


授業と言っても青年部員が4人、持ち回りで毎週授業をするという形。50分間で、地元で仕事をすること・地域貢献をすることについて話をしてほしいというのが、今回の趣旨です。

私は「これはチャンス」とばかりに手を挙げました。そして無事4人のうちの1人になったのです。

たった1回の授業ですが、私の仕事を高校生に知ってもらえるチャンス。そう思って名乗りを上げて、それが否が応でも実現する環境ができました。3月の時点で「6月ごろ」と聞かされていたので、準備期間は十分にあります。


ところが……。


そううまくいかないのが人生なのでしょうか。いざ決まってみると授業の内容が固まらない。

外様の身だし、地域のイベントや事業者とのかかわりもそれほどない。そんな私が「地元で仕事をすること・地域貢献をすること」を軸に自分の仕事のことを語れるのでしょうか?これがなかなか出てこなくて、結局5月に入ってしまいます。

スライドはもちろん白紙のまま。さあどうしようか、と悩んでいたところに、またしても別の機会で人前で話すチャンスが来ました


目前に迫ったことがあるのに、またしても私の「チャンススイッチ」が入ります。ただ、そのチャンスに挑もうと決意するには、かなりの時間を要しました。それぐらい、自分の中で葛藤があったのでした。

―― to be Continue

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