ゲームを楽しめない大人

目の前にコントローラーがある。
ボタンを押すだけでPS4の電源が入り、すぐにゲームの世界に没入できる。
昔の私であれば休日は一日中ゲームをして過ごすほど好きだったし、
今の私の、両親から算出できる理想身長に対して低すぎる身長は、
ゲームのし過ぎで夜更かしをした後遺症だと思っている。
っていうくらい好きだったゲーム。

いつからだろう、そのゲームにあまり熱中できなくなったのは。
最後に熱中したのは大学生だったかな。
そこからは没頭したという記憶がない。

社会人になって、時間と気力が削がれるということもあるだろう。
大学時代はあんなに毎日きらきらとインスタに投稿していた知人も、
就職してからそのアカウントの更新がない。
それと通じる部分もあると思う。

また、歳を重ねてあまりにも刺激の強いものばかりに慣れてきたので、
ゲームから得られる刺激に飽きてしまった、ということもあるだろう。

もう私は、これまでに一生分のゲームを遊びつくしてしまったのかもしれない。

今でも友人との付き合いレベルで共に遊んだりはする。
友人は楽しそうにゲームをできる大人だ。
日々を楽しめる大人だ。
一方の私は、半ば惰性でそれに付き合う。
今を楽しめない大人だ。

まあ、それでも困ることはないのだけれど。
もう戻ることはないであろうあの日々の感覚に、
時々ふと、懐古の気持ちが芽生えてくるのだ。