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帰ってきたばかりだけど、すでに直島が恋しい

何日か記事を投稿しているように、直島に旅をした。3年ごとに開催される瀬戸内国際芸術祭で国際的にも有名なアートの島。行く前は全然知らなかった。

最近の情勢もあって旅そのものが久しぶりだから、感動も大きかったのかもしれないけど、島はいいなあとしみじみ思った。今日はその旅の余韻に浸りながら書いてみる。(最後に実際に行って良かったお店を紹介しています。)


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大阪に住んでいるが、最近は海を見ることもなかった。海を眺めているだけで1日過ごせそうだった。
宇野港からフェリーに乗って、島まで行くのだけれどその景色も素晴らしかった。デッキに出ると途中の小さい島々が通り過ぎていくのが見える。たくさんのカモメたちが波にゆられてぷかぷか浮いていた。フェリーは新しくて大きくて、まるで豪華客船に乗った気持ちになれる。たった往復600円なのに。

映画「千と千尋の神隠し」に出てくる、海の上を走る電車のシーンが大好き。映画では海の上に街灯が立っているけど、実際の海でもときどき目印のようなものがあって、まるでリアル千と千尋だ、と感動する。


今回は友人が住む古民家に泊まらせてもらった。二階建てで庭付き、部屋もたくさんあって、私が今住んでいるワンルームで共同のシェアハウスとは全然違う。そこにはゆったりとした空間があった。光熱費はかかってしまうけれど、島からの支援金もあって家賃は月3万だという。古い家は寒くて住みにくいのではと勝手なイメージを持っていたけれど(失礼)、全然そんなことはなく、居間にはこたつもあって暖かかった。


最近島に移住する人が増えていると聞くけど、その理由が分かった気がした。特に一番良かったのは人の良さ。1ヶ月住んでいる友人は、「排他的な感じがなく、みんな穏やか。島外から来た人を快く受け入れてくれる。ちょうどいい距離感」と言っていた。確かに島のどこに行っても暖かく迎えてくれた。島に向かうフェリーの中からすでに「エスカレーターはこっちだよ」と教えてくれたおじさんがいた。レンタル自転車でも、カフェでも、銭湯でも。ガツガツ向こうから来るのではなく、こちらの様子を見ながら話しかけてくれる。直島の海のようなテンポが心地よかった。友達の家にいるときも、大家さんがわかめをお裾分けしにきてくれてた(ベルがないので突然ガラッと引き戸を開ける音がした笑)。


フェリー近くのレンタル自転車やさんで電動時電車を借りて、地中美術館へと向かったのだけど、坂の途中の景色が素晴らしかった。水平線と遠くに浮かぶ島々。海と山のコントラスト。写真では全然伝わらないんだよなあ。(この道は坂道が急なので、電動自転車の方がおすすめ。バリバリ運動している友達は、余裕で普通の自転車をこいでいたけど。)
もし島に住むことができたら、と考えてしまう。求人も結構出ているそうだ。

直島の魅力は近代アートだけではなく、古くから残る家々の街並みもとてもいい。直島ではその古い家屋や神社をリノベーションしてアートとして展示している。昔は歌舞伎のような芸能も盛んだったそうだ。歴史を知ったらもっと面白くなりそう。


島には、人を穏やかにしてくれる何かがあるらしい。どうしてなんだろう。理由を知りたくて調べていたら、直島に魅了されてアートを持ち込んだベネッセの名誉顧問、福武 總一郎氏による直島の思いが記事になっていた。


ここに書かれていて印象的だったのは、「人生の達人であるお年寄りの笑顔があふれているところ」を良い地域として定義していること、「人々を心豊かにするのは経済活動だけでは出来ません。経済の繁栄だけを目的化すると、かえって人々は不幸になる」ということ。ああ確かにそうだよね。お金がないと生きていけないのだけど、それだけでも生きていけないんだと。

都会に住むことが一番と若い時は思うけれど、歳をとるにつれてだんだんと田舎暮らしに憧れる人が増えていくのも、本当に大切なものに気づいていくからなのだろうか。自然の中のしんとした静けさ。山や海の壮大さと美しさ。人と気軽に繋がれることは本当にいいことなんだろうか。人と会うことが大変だからこそ、その大切さがわかるのかもしれない。「島に来てくれてありがとう」という気持ちが、人々の思いやりとなっていたのかもしれない。

大切なことに気づかせてくれた直島。ああ、帰りたい…。


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ぜひ行ってみてほしい、直島おすすめスポット

店主さんのおしゃべりがとても楽しい。直島だけではなく周辺の観光スポットもいろいろ教えてくれる。観光の始めに行くといいかも。

コーヒーだけではなくチャイもおいしかった。一緒に売っていたこだわりカカオのチョコレート、パッケージが可愛すぎて購入。

アート×銭湯って聞いたことなかったけど、行ってみたら楽しい。暑すぎないお湯でアートを見ながらのんびり浸かっていられる。


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