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美輪明宏さんってすごい

「私はストレス製造機だった」
最近、そう思うことが多々ある。

自分が感じていたストレスのほとんどは自分で作り出したものだ。
中には本当に理不尽なこともあった。
でも、大抵のものは自分の捉え方次第で変わるものばかりだった。

もうすぐ離婚する予定の私のダメな例を挙げよう。
私はいつも「ダメな夫の特徴」みたいな記事をネット上で読み漁っていた。
そしてメモを取り「自分はこうならないぞ!」と意気込んだ。
むしろそうやって、自信のない自分を守っていたのかもしれない。

私はネットで知り得た知識をほぼ実践した。
その時の私は、妻からすれば良い夫だっただろう。
自慢の夫と思ってくれていたかもしれない。
でもそれは、常に背伸びしているようなものだった。
いつも足がつっているような、溺れているような感覚だった。
無理をしているのだから当たり前である。
それでも妻には平気なフリをし続けた。

いつの間にか、私にとって日常がストレスになっていた。
楽しかった子どもの世話も負担に変わっていた。
それでも無理して「良い夫」「良い父親」を演じ続けた。
職場では「仕事のできる社員」を演じた。
仕事も家庭も完璧なスーパーマンになりたかった。
弱音を吐いたら負けだと思っていた。
でもその結果、職場には行きたくないし、家にも帰りたくないという状況に陥った。
そして現実逃避のために人としてやってはいけないことに手を染めた。

昔、テレビ番組で美輪明宏さんが
「みんな肩書きに振り回されている。結婚式とかで良い奥さん・良い旦那さんになってねという人がいるけど、私はそんなものになるなと言っている。良い人間同士でいれば上手くいく。」と話していたのを思い出した。
まさにそのとおりだ。美輪さんってすごい。
私はこの話の本質がわかっていなかった。
私も肩書きにこだわって自分を見失っていた。
自分の中に自分がなかった。
挙げ句の果てに勝手に被害者面をして不満を抱いていた。
そしてそれがストレスとなり、溜め続けた。
まさにストレス製造機だった。

それに対処するには、自分を客観視すること。
つまり俯瞰する機会を設け、自問自答してみる。
「ストレスの原因は自分にないか」と。
一つの方法として、私は紙に思い付く限りの言葉を書くようにしている。
とにかく頭に思い浮かんだものをひたすら書く。
そうすると、今の自分の状況がなんとなく可視化され、いつの間にか自分を俯瞰できている。

理想の人物像を描くことは悪いことではない。
ただし、自分が必ずそのとおりになれるとは限らない。
それは、人によって性格も環境も状況も違うからである。
何でもかんでも思い通りにはいかないものだ。

そして、自分が理想の人物になれなくても良いと認めることも必要だ。
理想の人物になれなくても、近付くことはできる。
努力は無理のない範囲で行うべきである。
決して背伸びしながら日常を送ってはいけない。

大事なのは自分と周りの人が納得できるかどうか。
「自分」と「周りの人」どちらも納得していないと人間関係は上手くいかない。
お互いに納得していないからストレスになり、いつか爆発する。
それを回避するにはコミュニケーションをよくとることだ。
たまにはいつもの肩書きを降ろしてみて、人間という肩書き同士で会話してみると良いかもしれない。
たくさん失敗した自分はこれを大事にしたい。

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