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翁の生態観察その3(血圧と閉所恐怖症編)

翁こと、うちの爺さんは、人一倍自分の健康に気を遣っている。

毎朝血圧を測ることを日課としている。しかし血圧を測るという行為が妙なのである。一般の人は、血圧を測る時はそのまま腕を血圧計に差し出し、自然体で測定するものだが、うちの爺さんは違う。

まず測定する前に、深呼吸を厳かに始め呼吸を整える。太極拳でも始まりそうな雰囲気だ。それからおもむろに測定を開始する。だが、その測定した数値は、自分が「良し」とする値でなければいけない。気に入らない数値であれば、もう一度測りなおす。

良しとする数値ってなんだろうか。血圧って呼吸でコントロールできるものだろうか。仮に呼吸で血圧をコントロールできるとして、その偽った数値でなんのデータを集めているのだろうか。理解に苦しむ。


爺さんは閉所恐怖症のようだ。閉じ込められる空間を嫌う傾向にある。自室で寝る際は、部屋のドアは全開にしている。頑なに閉じた空間を作らない。冬などは部屋に冷気が入りこむと思うが、寒くないのだろうか。

また車を運転する際も、窓を少しずつ開けている。本人は「新鮮な空気を取り込みたいから」と弁解しているのだが、真冬でも開けている。爺さんは、良く言えば開放的な性分である。

ややこしい爺さんの不思議な生態観察は続く。

爺さんの生態観察はこちら ↓↓↓
その1

その2

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