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翁の生態観察その1

今は昔、竹取の翁といふものありけり。野山にまじりて竹を取りつつ、よろづのことに使ひけり。

さて、うちには翁が一人いる。野山にはまじらずに、一緒に暮らしている私の父親である。
この翁、歳をとるごとにやっかいになってきている。このやっかいで不思議な翁の生態観察をお知らせしたい。

この翁、歳のせいか話しかけてもまず聞いていない。なので、また話かけないといけないという、2回の作業が発生して毎度面倒くさい。

翁は、耳がやや遠くなってきたらしく、通常運転で声がデカイ。電話になると、ますますデカイ。仲間のジジイ同士の電話になると、耳に電話をあてられない程のデカイ声を出し合い、ハンズフリーでもないのに電話から相手の声がよく聞こえる。トランシーバーのような電話である。お互いデカイ声を張り上げながら、楽しそうに会話している。


また、翁は体内からよく音が出る。放屁はもちろん、いずれの音も大音量である。バカみたいな大きなくしゃみに毎度皆がイラッとする。寝れば、喉のどこからそんな爆音が出ているのだろうかと驚くほどのイビキをかく。毎夜、喉を酷使しているのに、毎朝何事もなかったかのように起きてくる。ジジイの喉はどうなっているのだろうか。


多くの生態的謎を持つ翁。これからも定期的に翁の生態観察をしていきたいと思う。


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