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ゆる守護神

朝から夕までずっとオンライン会議だった。3つの打ち合わせをほぼ休みなく続けたのだが、さすがに疲れた。集中して考えなければならないことが多かったせいか、まだ思考の余韻のようなものが残っていて、この時間のいつものまったりした雰囲気が出てこない。

こんなときは、余計なことを考えずに楽しめて、ゆるくてホッとできる文章を読むに限る。私の本棚では、浅生鴨さんと北大路公子さんが、いつでも手の届くところに鎮座している。私にとっての守り神、風神・雷神だ。

今日は、浅生鴨さんの『あざらしのひと』にしよう。


読みながら気がついた。ああ、今日は「雑談」がなかった。だからへんな緊張感が残っているんだ。

いま、僕の参加しているオンライン会議の多くは、決められた時間にきっちりと始まって、あらかじめ設定された議題を話し終えたら、予定の時間にはちゃんと終わる。余計な時間は一切ない。(「雑談の人」、浅生鴨『あざらしのひと』P30)

まさにこれ。オンラインっていつもそうだけど、余計な雑談がしにくい。

ちょっとだけ余計なひと言を入れるだけで、そこでだれかひとりでも下を向いてニヤッとするだけで、雰囲気がなごむのに。そういう機微がわからないから、余計に疲れるのかもな。

おかげで、思考が落ち着いてきた。


真面目なオンライン会議で笑いを取る方法を考えよう。苦笑いでいいから。

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