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採用という営業活動

今回は新卒・中途問わず、求職者・候補者側の方に向けた内容です。

休職者の皆さんにとって、就活・転職活動を行う際に最も気になることはどのようなことでしょうか?

「この企業に入って自分のイメージするキャリアを実現することができるのか?」
「実際に働くことになった時の働き方はどのようなものか?」

そして何より、
「この企業から内定をもらうことができるのか?」

といったところでしょうか。
いずれも非常に悩ましい点ですし、大切なことだと思います。
ただその前に企業側の目線で見た時に「採用」というのがどのようなものなのかを理解していることは、これらと同じくらい大切なことです。



1.企業は選ぶより選ばれる方が難しい

2023年時点で、採用市場における有効求人倍率は、新卒で1.7倍、中途で3.2倍となっています。(Doda求人倍率レポートより)

すなわち、基本的に企業が人を選ぶ以上に、人が企業を選ぶ構造が出来上がっているのです。
(もちろん全体の数値なので、個人によってこの構造が当てはまるケースもあれば、当てはまらないケースもあります)

そんな中で多くの企業で採用担当者が頭を悩ませているのが、「いかに優秀な候補者に自社を選んでもらうか?」です。


「内定を出しても内定を辞退される」
「それゆえにより多くの候補者を集めないといけないので採用広報費が大きくなってしまう」
「面接で来てほしい人に内定を出したいが、それよりも来てくれる人に内定を出さないといけない」

企業の悩みは絶えないどころが、ますます大きくなっています。

2.採用活動の裏側は営業活動設計

そんな中で各企業は、企業経営の重要活動である採用をどのように行っているのでしょうか?

結論は「営業活動」を行っている、です。

営業活動をイメージしてみましょう。案件を受注する、製品を販売するためにどのようなことをしているでしょうか。

①見込み客作り:テレアポや紹介などアプローチする対象のリスト作り
②提案・製品紹介:見込み客に自社の売り物をアピールして興味を獲得
③顧客化:実際に支払い能力があり、買ってくれる人を特定
④クロージング:顧客の購買意思決定の獲得
⑤歩留まり集計+PDCA:目標件数に必要な見込み客数の設定やトークスクリプトの見直し

企業によって多少は異なると思いますが、概ね上記のような流れで営業活動を行っていると思います。

採用活動においては、営業活動と同じ言葉は使われないかもしれませんが、実は採用活動でも同じようなことを行っています。

採用活動の流れ
1.母集団形成:説明会イベント、Web媒体、エージェントなどを活用した候補者集め
2.魅力付け:HPや記事などでの企業情報発信、カジュアル面談やOB訪問などの人による企業の魅力の説明
3.見極め:テストや面接による内定を出す人の選定
4.内定承諾獲得:内定を出した人に対しての入社意思確認
5.採用KPIの設定・見直し:選考動員率・内定率・内定承諾率などの数値算出と、目標人数達成のための追加母集団形成の計画、面接内容見直し

どうでしょうか?
概念的には営業活動と近しい活動に見えないでしょうか?

当然企業によってはこのようなことを考えずに採用を行っている企業も存在します。ただそのような企業は、ほんの一握りの超人気企業や、採用にテコ入れをしようとしない企業くらいです。

特に最近注意が必要なのは、IT/エンジニア・営業・コンサルといった、ハイスキルが必要な労働集約型のビジネスを営んでいる企業を受ける時でしょう。
企業はより多くの人に入社してもらいたい、そのためには今まで以上に自社を選んでもらわないといけない状況に置かれている企業では、営業活動としての採用活動を行わざるを得なくなっているからです。

3.選んだつもりが選ばされたとならないために

では、このような採用活動の構造を踏まえた時に、候補者の人たちが気を付けないといけないことはどのようなことでしょうか。

それは営業活動にうまいこと乗せられてしまい、きちんと吟味できていない状態で入社する企業を選んでしまうことだと思います。

入ってみたらなんか面接で聞いていた話と違う、嘘ではなかったけど数少ない事例を聞かされていただけで自分には当てはまらなかった、などはよく聞く話ではないでしょうか。

そうならないためには、候補者自身が自分のキャリアを真剣に考え、客観的に情報を受け止め判断することです、、、
が、まさに言うは易く行うは難しです。

とはいえ、悪徳企業が多いというわけではないので、闇雲に疑ってかかって下さいということでもありません。

まずは、このような構造で採用が行われていること自体を知っておくことが非常に重要なので、皆さんも頭の片隅にこの記事の内容を置いておいていただけると幸いです。

今後はより具体的な採用活動の中身のお話も書いていきたいと思っていますので、引き続きよろしくお願いいたします。

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