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受験の問題集:うすさのわりに解答・解説がしっかりしていると使いやすくくりかえせて効果を感じやすい


はじめに

 受験生に向けて。とくに理系の方。この夏休み終わりにはもう共通テストに関してはほとんど仕上げ段階。主眼は2次試験のほうかも。各科目や単元のダメ押しの状況に早めに到達し、維持するのが理想形。ただし共通テストも一抹の危惧が…という場合、2次試験対策とともにやっておきたいもうひと押し。

きょうはそんな話。

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ひととおり基礎をやり終えたならば

 たとえば科目をひとつとりあげるとすれば化学。定評あるのは重要問題集(数研出版)。

学生時代にお世話になった1冊でいまもおなじみ。すでに夏休み中にほぼ物理化学や無機化学の部分をやり終えたという方もいるだろう。主宰する教室では有機化学まで基礎を教え終わり、この問題集の有機化学の部分にとりかかり仕上げる。これを共通テストの「早解き」練習とともにおこなう。

1,2年生ならば

 まだ受験は先の1,2年生ならば、シグマ基本問題集のシリーズ。各科目がそろう。日常学習・定期テスト向けと表記があるが、まずは文字どおり共通テストの70%ほどをいずれはめざしたい方にはうってつけ。

ただしほんとうにうすいので問題量は多くないし、共通テストを70%以上にしたい、2次試験を準備したい場合にはさらに別へ。

厚いとよくないというわけではない。数学のチャートシリーズ(数研出版)はいずれもページが多い。むかしはいまとちがい別冊の解答と解説はなく略解だけだった。いまは練習問題に関しても解説がくわしくなり持っているならば重宝する。中身の問題を時期で選択すれば、わけて使うと薄い問題集とみなして使える。

1,2年生のうちは黄チャートレベルの例題・練習問題にじっくりとりくむといい(多くの進学校)。羅針盤4つ以上はあとまわし。2次試験で数学を課されるならば2年生ぐらいからそのひとつ先のExercisesレベルまで。2年生末までならば青チャートも準じる。

わたしの学校から配布されたのは赤チャート。もうすこしくわしく解説してほしい場合がほとんどで、わたしの目標大学の受験勉強には合わなかった。当時は問題のページよりも解答・解説のほうが厚い理数の問題集はほぼ見あたらず、その願いはかなわなかった。

文系科目の問題集には

 一方、当時の社会科目の問題集のなかには薄いにもかかわず、細かな活字でくわしい解説のつくものがあった。母校の社会科教師おすすめ。多くの生徒が信頼を寄せ、指示どおりに「倫理」や「政経」を秋口にはほぼ満点近くまで仕上げた。はるかむかしに絶版。

当時はいまとちがい理系でも社会2科目必答の時代。わたしは念のため本番にそなえて本来ならば必要のない中学知識で平均までとれる3科目めを用意した。本番で選択予定の科目が難しい場合にそなえて。これはむだにならずにのちの公務員試験に役立った。

いまや解答・解説ページの厚さのみならず内容のくふうがみられ、より自学自習にふさわしい問題集が増えた。以下は共通テストの各科目についてふれたい。

使い方について

 いかに効果的に1冊の問題集を宝のもち腐れにしないように活用するか。なかに描きこまずノートに「時間を計りながら」解答。自分で読めるぎりぎりの走り書きでいい。あえて赤シートをつかわないのは「手におぼえさせる」ため。問題番号のあたりに解けなかったしるしと日づけを記入。再度解くためにそのしるしが活きる。

正誤ともに解説をしっかり理解し、問題文からどうやると解答を導けるか確認する作業とともに教科書やノートに目を通す。1週間以内にしるしのついた問題をふたたび解いて出来を確認。2,3割でも解ける問題や部分が増えればそれでよしとする。その割合でもくりかえせば糧になる。さらに作業はつづく。

うすいからこそできる念押し

 厚くないからできるここから先の作業こそ肝要。数日置いてやり直す。これを何度かくりかえすうちにしるしをつけた全問が解けるように。各科目に時間を分割しつつおなじ手法でつぎの単元へとすすめる。

わたしはそれでもまだまだとよしとせず、時間をさらにしぼりつつ該当範囲の「全問」をとおしてやり直す。満点をとれるまでノートにくり返す。1問でも間違うと範囲の全問をやりなおすペナルティを課す。だんだんと解答時間は短くなり問題の骨格が見えはじめ、1日でできる該当範囲をひろがっていく。

その段階まで来ると問題文全部を集中して読むのではなく、メリハリをつけて重要な部分をひろいあげられるようにポイントがみずから浮かび上がって目に入りはじめる。1,2年生ならばまずは上記の「シグマ基本問題集」(文英堂)のシリーズでこの方法をやってみてほしい。それにうってつけのうすさ。

1問でもおろそかにしない

 ほぼダメ押し7回目ぐらいで制限時間の3割から半分ぐらいで当該問題集全問正解を達成。さらに念には念をいれ適当にひらいた任意のページの問題を手が止まらずに解けるかどうかなんどか確かめた。ここでもういちど教科書を通読すると水がからだに沁みわたるように理解できる。

その頃にほかの問題集の初見の問題で確認すると、目標点数+αで安定すると知れる。科目によってはほぼ満点近くをとれるように。くりかえすが共通テストレベルまでの薄い問題集だからこそできる。

すくなくとも社会、理科の各科目、漢文ではほぼ満点まで、国語の物語文、数学の一部の単元(確率やベクトルなど)に関しては満点近く~目標点の2割増ぐらいをめざせる。その勢いのまま上記の「重要問題集」(数研出版)や二次試験の対策を赤本などで目標校の過去問を中心に。

おわりに

 もっと効率的なやり方もあろう。しかし夏休み以降まったなしに諸手続きなどに入り、学ぶ時間は思うほど確保できないはず。基礎のできつつある方で共通テストで高得点を確保したいならば、各科目の解説のしっかりしたうすい問題集1冊をとことん仕上げるこの方式はおすすめ。やってみる価値はあると思う。

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