北海道と四国をあわせた人口と九州のそれではどちらが多いか
(2024.6.17加筆あり)
はじめに
学習サポートに訪れる中学生の全教科の学習をみている。地理もそのひとつ。わがクニを地方ごとに学ぶ各論のあと、産業や貿易など総論にうつる。なかでも人口について予習していてふと思うことがあった。
きょうはそんな話。
過疎と過密
わがクニは山がち。たいらな土地にひしめきあうようにくらす。そのようすを学習サポートに訪れる生徒たちに図表資料を使いつつ説明する。大部分のそうした平野にヒトビトは家をたててくらす。なかには山すそや盆地にも町や村がありそこにもヒトビトのくらしがある。
とくにすこし前まで「太平洋ベルト」とよばれたそんなにひろくないエリアのあたりにほぼ総人口の半分がくらす。そこは大きな都市がつらなり、ヒトの行き来がさかん。そのため交通機関がはやくから整えられ、のちに都市と都市を結ぶように新幹線や高速道路が伸びる。その状態から半世紀以上が過ぎる。
資料集は興味深い
予習時にはみずからの知識の修正を図る。「太平洋ベルト」という用語すらうしろに「地帯」をつけて習っていた世代だが、すでにこの言葉自体、用語としては存在するが教えるときにはあまり強調してつかわない。
というのもそれらの街と街が東西のみならずもはや四方にひろがる状態に。この地域の在来線に乗るとよくわかるが左右の車窓の家なみがほとんどとぎれない。しかもそれ以外のはなれた工業地域も各地に点在して久しい。
資料から見えること
資料をいま一度見直すと早い段階に工業化の進んだエリアは思ったほど太平洋岸に面していない。たいてい湾奥のあたりに都市がある。大きな河川や地形の影響でそうした個所によい港がつくられ、ヒトビトがくらしてきたことがわかる。のちの工業地域は内陸部に点在。すでに海に面した港をもとめずとも活動できる場所。これらの理由を中学生に考えてもらう。
あたらしい教科書にはそれなりに目新しい視点も登場する。もはやこの「太平洋ベルト」を拠点とした工業国(ひとむかし前ならば第2次産業)というよりもサービス産業(教科書では第3次産業)の生産額で占める割合が大きい。
おクニの書類ですらその区分にあてはまるとはいい難い書き方でIoT産業などにふれている。そこへ比重をうつしていこうとする姿をうつしだしている。
生きた時代
経験にもとづいた話を織りまぜつつ生徒たちに話す。中学生のころ新幹線がわが町に開通し、修学旅行では京都や奈良まで遠出できるようになったことなどを説明。
そのあいだに生徒たちもいろいろと気づくようでいろいろと話す。ひごろ車や飛行機での移動がふつうの生徒たちにとって、じぶんの足での距離感覚とはかなりちがうとかんじられる。地理として身につけるのはなかなか容易でない。
歴史の学習でも地理は活かせる。鉄道のないむかしは徒歩や馬が中心、その頃の情報伝達法は…、秀吉はどのくらいかけて九州に訪れただろう…、と説明をする。
さて、いろいろな産業の統計地図の地域の色分けに生徒たちはいろいろと気づくようで、このところ「太平洋ベルト」とよばれた地帯とは関係のうすい、それ以外のさまざまな工業地域の存在に気づく。こうした地域で工業がさかんになったのはクニの政策で…とまたべつの説明に。
おわりに
地理はこうしたおのおのの資料の特徴をつかんで感覚として身につけることにねらいのひとつがある。考える機会が多い。実生活においてすごく有用な教養としてつかえるし、多様な文化や風土が知れて興味深い。
資料集や地図帳など、そのいずれもが生徒以上にこちらもたのしめる要素満載といっていい。
(ちなみにタイトルのこたえは「九州」。お調べいただきたい)
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