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居場所の外から聞こえる音への感覚は室内での作業やくらしにあたえる影響がことなりそう


はじめに

 これまでさまざまなところでくらし、仕事場にしてきた。地面に近いところがあればマンションの高層階もある。それぞれ窓のそとで生じる音をかたわらで聞きつつ作業をしていた。

場所によっては天候の変化でのちの作業のだんどりやなにかがかわることさえたびたび。四季があり1日のうちでも天候にさまざまな変化のあるこのクニでくらしていることを実感。

きょうはそんな話。

音から感じとる

 マンションの3階暮らしで学習サポートのしごと場と兼用。もうひとつのしごとの研究パートの職場は5階。ここの天井は実験室用途のため比較的高く、マンションならば6,7階ぐらいのイメージ。

先日、ある省庁の仕事にかかわりおとずれた場所はたしか20階より上だった。これくらいになると外のようすは気にならなくなってしまう。

それぞれそとから聞こえる音はさまざまで、やはりちがう。地面にちかいほうが種類があきらかに多い。

以前の経験

 さて、大学院生のころのアルバイトの家庭教師。高層住宅の最上階の13階に住むご家庭の子だった。

こんなに高層の場所に通う経験はそれほどない。いまでこそこの高さのマンションなどめずらしくもないが、当時のこの街では周囲をみわたせ、中心街のほうまでさえぎるものすらないぐらいだった。その1室でこどもたちの勉強をみていた。

窓の外からきこえてくる音があきらかにちがっていた。というよりほとんど外の音がしない。ふと窓の方向をみると車軸をながすようなどしゃぶり雨が降っていたとようやく気づきはっとした。

雨音とは

 わたしたちがふだん聞く雨の音。これは雨粒がなにかにあたりはじける音。雨音との表記はあるが雨自体から音が聞こえるわけではない。地面や建物の屋根、場合によっては窓ガラスや壁をたたいたり、水がながれたりで生じる。

それで雨が降っていると気づく。雨や雪が空中を落ちるときにはあたりまえだが音はしない。13階でこどもたちがつくえにむかう横でようやくそのはじめてそのことに気づいた。

ここではよっぽどでないかぎり雨音は聞こえてこない。ひさしの深いベランダの手すりにななめにあたるかすかな音ぐらい。地面までは距離があり、雨粒が地面にあたりはじける音は聞こえてこないか、この高層階まではとどかず立ち消えてしまう。つまり無音で雨がふる。

ふしぎな感覚

 地面に近い場所でくらしてきた身にとって、その場所にいると感覚がおかしくなる。雨がふっている音ではなく、雨粒が地面や建物にあたり生じる音だった。

こんな「感覚のずれ」はほかにもありそう。風の音なども多くはそうだろう。風が木の葉をゆらし、窓をガタガタさせたりすきまをピューとならしたりでようやく風が出てきたなと気づける。空気のながれ自体に音はない。

さて、いまくらしているマンションの3階ではどうだろう。ほどほどに雨音がひびく。そのまえのすみかだった平屋では雨音はたちどころに響いた。これは大きなちがい。農業をしていた身にはたちどころに行動できていろいろとべんりだった。せんたくもののとりこみもしかり。

研究サポートの職場は何十年ぶりかで改修したばかり。窓などは以前のゆがんだものとくらべるとしっかりしており、多少の風でもびくともしない。もちろん雨音は厚めのガラスをたたく音がかすかにきこえるぐらい。そのため、外のようすが気にならずに室内でのしごとに集中できる。

おわりに

 どうやらふだんの行動とは目のまえで取り組むしごととはべつにこうしてかたわらから入ってくる情報に左右される部分がけっこうある。気が散るようでは元も子もないが、多少は生活音や自然の音になじんで行動するほうがしっくりくる。

仕事場やくらしの場のこうした環境の音はわたしにとりそこそこ影響するにちがいない。


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