見出し画像

2022 菜園総括ー庭編🍠

いよいよ今回は反省点も折り込みながら自宅の庭で私が行なっている実験についてしたためたい。

庭では無肥料、無農薬で直植えとプランター栽培の2種類を行なっている。全て固定種だが名称は省略する。後ほど詳述するが、実験の醍醐味は土づくりなのだ。
まずはプランター栽培の方から記していきたい。

夏野菜、冬野菜両方ともやっているが、正直、冬野菜はあまりうまくいっていない。育苗段階でよく成長したものは畑へ、はじかれたものをプランターで、とやっているせいもあるだろうが、おそらく畑に比べ根域が狭く気温の影響が根にまで直接響くからだろう。
そもそも冬場はプランター栽培には不向きだと思われる。無論、藁で巻くなど打開策は考えられるが、本業に干渉しない程度で抑えるのが大事なところ。とはいえ、さすがに本格的な冬場はビニールで覆っている。
プランターのサイズは縦横高さ(mm)で横長:300x300x450と縦長:450x300x300の2種類。

これまで冬場に育てたのは小蕪、ほうれん草、小松菜、水菜、ラディッシュ、人参、牛蒡、エンドウ、そら豆など。
今年は白菜とブロッコリーを育てているが、白菜はナメクジに食べられてしまって生育不良だ。ブロッコリーも生育が良いのは畑に植えてしまったのでだいぶ遅れている。

エンドウ、そら豆の発芽は良好。しかし双方共に畑と比べると生育がおとなしく収量が低い。しかも今年は3つ(庭産2、畑産1)しか播種しなかったそら豆の1つがナメクジに食い尽くされてしまった。とはいえ生命力が強くまた根本から新たな芽が生育中だ。今年からそら豆はプランターではなく発芽後の移植で直植えにしたので、いずれそら豆のレポートを行いたい。
発芽が遅れた1つは畑に移植したところ、先日見たら生育良好だった。さすが畑。他と比べて発芽が遅かったのにきちんと追いついた。それにソラマメは小苗で越冬するため多少発芽が遅くても問題ない。それに元々畑で採れたものだったのでちょうどいい。

今年三月のソラマメ。左端にエンドウが少し見える。

葉物はそれなりにできるが畑に比べるとそうでもない。根菜はやはり根域が足りないせいだろう生育が良くない。
家庭菜園の本ではよく書いてあることだが、植物の根域は人間が思いもつかないほど広く深いものだと思う。その証拠に、収穫後の土を処理しているとプランター内に根を張り巡らせ吸い取れる養分は全て吸い取るのだという気迫の痕跡が見て取れる。

プランターでの大浦太牛蒡。太ろうとしてもがいたのが根から伺える。苦悶の表情を見るようだ。

夏野菜はそれなりにうまくいくがやはり畑と比べてしまうと生育が抑えられていると感じる。
これまで、ミニトマト、大玉トマト、レタス、春菊、キュウリ、ズッキーニ、カボチャ、大豆、ハーブ類、などを栽培している。

ミニトマトは軒下で水管理。枝や脇芽の管理が小まめにできるので庭向きだと思う。かわいい。

中でも育ちが良いのは大小トマト、レタス、キュウリ、ズッキーニ、ハーブ類である。
マメ科は発芽した先からナメクジに食われていくので、来年は蒔く時期の見極めとコーヒーカスを株周りに撒くことで対策するつもりだ。ニンニクストチューも良いかもしれない。
プランターでの大豆は蔓化してしまい成功していない。播種時期に問題があると感じているが、元々北海道でとれた食用大豆を実験的に栽培しているため、いつが敵期かいまいち掴めていない。昨年、畑で蒔いた時は7月だったが生育は良好。しかしカメムシ被害が甚大だった。大豆には苦戦中。

掻きチシャ。チシャとはレタスのこと。野口種苗研究所によると茎や葉を折ると乳状の液が出ることから東西共通に乳草と呼ばれ、転じた古名「知佐(チサ)」が訛ってチシャになったのが平安時代末期だとか。

その他、直植えで里芋、生姜、カボチャを行なっている。直播き箇所は板で囲いコンポスト培養土を満たした。今年新設した箇所では人参、小蕪、オクラを栽培。オクラの生育が良好だった。現在はソラマメと玉葱(球根)を育成中。

今年の生姜はイマイチだった。そもそも折り取る位置が悪いのか、植え付けに問題があるのか発芽率が低い。今年、庭で発芽したのは1つだけで、日当たりがあまり良くない場所だった。まぁ、収穫用というより里芋の連作のために行なっているわけだから、とくに気にしているわけでもない。
里芋は茎から上を見ている分には生育良好だ。水管理もできているしその他は放任だ。今年で2年目の連作。

今年は空梅雨で夏前の生育が良くなかったが、秋の長雨でよく成長した。毎年の楽しみ。

カボチャは庭での栽培は今年が初。ポット育苗から大して日当たりも良くなく耕してもいない土に定植したため完全放任で育てたのだが、カボチャの生命力をなめていた。ツルボケ気味だったのか、とんでもなく繁茂してしまった。
梅の木や私の作業場のテントを足掛かりに、一時は空中にカボチャの葉でできた層が出現したかのような様相だった。
雌花が咲いてからは可能な限り人工授粉をして回ったので結実は8つとまぁまぁの成績と思う。

最盛期前の写真。最初はグリーンカーテン気取りで気持ち良かったが、放っておいたら、。🎃

反省点としてまず、予想に反して過繁茂になったのは梅の木の周りにお礼肥として鶏糞を撒いていたのだが、それが窒素分の蓄積を起こしており、そこに根を伸ばしていったのではないかと考えている。カボチャの根は本当にドリルのようになっているため、まったくの未耕起土壌でも掘り進んでいけたのだろう。

また、土壌が低栄養と高を括って完全放任栽培としたが、上記のように富栄養だった可能性があり、きちんと摘芯し蔓管理すべきであった。
実の生育は親蔓に近いものが一番大きく育ったため、そうした意味でも来年は実のつく位置を管理していきたい。
そして、もしかすると鼠のベランダから家屋への侵入経路になっていた可能性もあり、来年の定植箇所には底を抜いたプランターを設置し壁を作ることを検討中だ。

あ、あと今年初もので2階ベランダでのさつまいも袋栽培を忘れてはいけない。
結果を先に言えば、もうやらないかな。
理由は、土を入れた土嚢袋の上げ下げがしんどいのと、水やりが上下に別れているのも面倒だから。

収穫は意外な満足度。「ベランダでちょい収穫⭐︎」みたいなイメージでやってみたかった。

全部で4袋栽培したが、2袋はコガネムシの幼虫による食害が酷かった。
良かれと思い大豆を隣に植えたが、豆は片っ端から鼠に食われ、コガネムシの呼び水にもなった可能性がある。
しかし体験としては楽しかったので、来年は畑で袋栽培にしたいと考えている。

穴を中心に左が既に熟成中で、右が掘った土を篩にかけた小山。

さて、いよいよ本日のメインディッシュ!コンポスト🎉

上記のように庭でも色々と実験的に育てているが、最も実験の魂を注いでいるのがコンポスト培養土だ。
庭の土を直径300深さ500(mm)で掘り、そこに生ゴミと土を主体に籾殻や米糠や籾殻燻炭を入れている。
嫌気性にするため途中何度か踏み固め、最後もきっちり踏み固める。するとそのうち薄らと白黴が表面を覆うので、それが一次発酵中のサイン。

庭を掘るとでかい石から塩ビ管、煉瓦など色々出てくる。民家の下は建築現場のゴミ捨て場か。

普通、コンポストのインフォメーションでは分解されにくいものや腐ったもの、料理の残りなどは入れないようにと記載されているが、うちでは何でもありだ。
その代わり3ヶ月は確実に放置する。

一度、庭でやらかされる猫のフンに困っていたので、それを入れてみたが気持ち的にNGだった。まだ自分の飼い犬のモノの方がいい。
分解されるとはいえ、それらを元にした要素を作物が吸い上げ我々の口に入ると考えると、気持ちの良いものではない。それに猫のフンへの憎悪と嫌悪感が土への愛情を半減させる。

プランターで行うとそのまま用土として使えるという記事をどこかで見たので試してみたが、分解力が雲泥の差だった。
このやり方でやるなら新鮮な野菜クズのみ投入し、米糠やEMなどで発酵を促進させ、攪拌することで好気性発酵させる必要があると思われる。
木板で制作したプランターでは踏みつけても密閉性が低く、土壌世界が限定的なため昆虫や微生物や菌の関係性も薄く、分解力が低い。土も「良い感じ」じゃない。
ちゃんと分解された土は、虫は少なく腐臭もなくサラサラでまさに「良い感じ」だ。

ただ篩にかけただけの土だが、手触りが気持ち良く美しい。

ちなみにミミズがいる土が良いとよく耳にするが、畑をやり始めてからはそこに誤解があると知った。
正確にはミミズが耕したあとの土が良いのだ。ミミズが耕した土は一般表土と比べ、植物の三大栄養素という窒素・リン酸・カリの割合がそれぞれ3、7、11倍になると言われている。
ミミズが多くいる土はまだ未分解の有機物がある状態で、それをミミズやヤスデやダニなどの昆虫類が食べて分解し、微生物や菌がまたそれを分解し、ようやく植物の根から吸収される分子の大きさになるのだ。
庭にモグラはいないが、畑などではミミズがいるところにはモグラがやってくるので植物の根にも良くない。未熟な堆肥は硝酸体窒素になる前のアンモニア体窒素なので、それを好むのはネギ類だけだ。

以上、そのようなことを頭には入れつつ、一体どこまで分解してくれるのか、色々投入しながら実験中だ。
例えば、玉葱の皮やBBQで出た骨や皮などのゴミ、油で汚れた炭や灰、生の脂身や皮、前述の排泄物、骨、貝、梅や杏の種、甲殻類の殻など、なんでもござれでやってみている。
基本的に全て分解されるが、貝殻だけは難しい。さすが貝塚で何万年も残るだけあって、貝殻は砕いたりしないと肥料としては使えない。その労力は大変なものになるので帆立などの大きいものは庭の端に投げている。意外なのは動物の骨で、2年くらいすると指先で細かくできるほどスカスカになる。甲殻類の殻も茹でた際の鮮やかな赤色が細かく散見され、綺麗に分解されている。

今年新たに実験中なのは愛犬の毛だ。生え変わりの時期にブラッシングした際に大量に出る抜け毛。これもコンポストに投入した。
以前少量でやってみたところまったく問題なかったので、今回は更に量を増やして入れてみた。来春に掘り起こすのが楽しみだ!

白いフワフワの毛があることで、ザ・コンポスト!というゴミ感がなくキレイに見える、気がする。

ちょうど今週のvideonewsでは五箇公一(ごかこういち)さんをゲストに生物多様性について放送中だ。色々と腑に落ちるところばかりだが、コンポストに触れてほしかった。笑
私としては生物多様性を実感したり感覚的に理解するためには、コンポストを行ってその土で作物を育て、食べて、また家庭で出た生ゴミををコンポストに、という循環こそが最も近道になりうると考えている。

家庭菜園には「幸せはここにある」という気付きが秘められていると思う。
無論、まったく動かない、外のことを気にしない、という意味ではなく、これだけ情報化により個の周辺が外へ開かれっぱなしだからこそ、逆に、「今、ここ」という限定的な場所と時間の希少性や実感にフォーカスしていく流れが、今後は加速していくのではないかと感じる。

ローカリティーが付加価値になっていくと、どこか遠くにしかなかった付加価値を求めて都会に一極集中してきた流れが崩れていくかもしれない。

菌ちゃん先生が言っていた。「何しろ植物は動かないことを決めたんですから。すごいですよ。」と。

土は、その動かない植物が更に何世代にも渡り生と死を繰り返す中で育まれた、土壌菌と小型生物と有機物の”宇宙”である。

気になる方は写真をクリック☝️

上記、予約限定販売の2023カレンダー、絶賛注文受付中❗️
月終わりに切り取って額装すれば「安価なお試しアート」にもなる。

たかがカレンダー、されどカレンダー。なぜ今この時代でもカレンダーなのか?次回はこのカレンダーについてのお話になります。


記事を読んでいただきありがとうございます!ARTに命を捧げています。サポート大歓迎です!現在の地球に生きる同士としてよろしくお願い致します◎