【USCPA 】Time Value 現在価値、将来価値

前回はこちら、


今回は時間価値 Time Valueについてです。

経済学部だったり、金融を学んだ人にとってはおなじみかもしれません。そしてこの考え方は会計の中でもとても重要なのです。

Time Value 時間価値

Time Value という言葉を聞いて何を思い浮かべるでしょうか?「Time is money」とかそういうことではありません。

この時間価値のいい例は、次のような問題です。

「①1ヶ月後に1,000円もらう ②1年後に1,000円もらう 

この二つの選択肢のどちらがいいですか?どちらの方があなたは得をしますか?」

という質問です。

答え

答えは①1ヶ月後に1,000円もらうです。この選択肢が答えとなる理由が今回紹介する。Time Value、現在価値、将来価値の話です。




現在価値 The Present Value

現在価値とは、「将来の金額」を「現在の金額」に換算したものを言います。

先ほどの例でいうと、「1ヶ月後の1,000円」「1年後の1,000円」を「今日の金額」に置き換えることです。

この考え方で重要となるのが、利子率 Interest Rateです。例えば、1ヶ月に1%の利子がつく場合を考えてみましょう。

そうすると「1ヶ月後の1,000円」の現在価値は

1,000 ÷ 1.01 = 約990

となります。つまり現在価値は約990円です。

次に「1年後の1,000円」の現在価値は

1,000 ÷ (1.01)^12 = 約888

こちらの現在価値は約888円です。

つまり、先ほどの問題の選択肢二つを現在価値で比べると

「1ヶ月後の1,000円」 > 「1年後の1,000円」


将来価値 The Future Value

将来価値とは現在価値の逆の考え方です。「現在の金額」を「将来の金額」に換算したものです。将来になったらいくらの金額になっているかを考えます。

こちらも先ほどの問題で考えてみます。一年後の金額で比べてみましょう。

1カ月1%の利子でお金を運用すると考えます。

「1ヶ月後に1,000円分。毎月1%の利子がつく」時、1年後の金額は

1,000 × (1.01)^11 = 約1,115

つまりこの債券の1年後の将来価値は 約1,115円です。

「1年後に1,000円」をもらう時の1年後の金額は

そのまま1,000円です。

1年後の将来価値で比べてみても

「1ヶ月後の1,000円」 > 「1年後の1,000円」

となります。

大事なのは、お金を手にしたその瞬間から、そのお金を運用できるということです。なので、同じ金額なら、なるべく早く入手できる方がお得な選択肢ということになります。

会計において

では、なぜ会計において、この Time Value の考え方が必要なのかというと、バランスシートには、現在価値 present value で記載しなければならないからです。

例えば、「5年後に1,000万返済する」という条件で相手にお金を貸して債券をもらった時、この債券をそのまま1,000万とバランスシートに載せてしまったら違反になります。これを現在価値に直したものを記載しなければなりません。

おわり

今回はここまでです。

次回は短いですが、単利と複利の違いを説明します。







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