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セカンドライフも快適に!60代から考えるシニアリフォーム|リノベーション・ジャーナルvol.9

60代に入ると仕事がひと段落し、生活スタイルが変わる人も増えてきます。また、子どもの独立による家族構成の変化などからも、これからの住まい方を考えて、シニア世代のリフォームニーズが高まる時期です。

シニア世代が、これからの生活環境を考えてリフォーム計画をするのはとても重要です。今は健康で身体も元気に動かせていても、いつか段差が気になったり、間取りが不自由に感じるなど、この先も今のまま体調良くいられるとは限らないからです。

『Renovation Journal vol.9』は、プロ向けの雑誌ですが、プロから見たシニアリフォームの改修ポイントなど、実際に紹介されている施工事例が具体的でわかりやすいため、リフォームを検討する時の参考になる1冊です。

本のタイトルにも入っている「リノベーション」は、既存の建物に対して新たな機能や価値を付け加える工事(主に大規模改修)を意味し、「リフォーム」は、老朽化した部分を修復、改装する意味合いがありますが、ここでは「シニアリフォーム」として、リノベーションも含めたシニア世代も暮らしやすい家への改修を紹介します。

実際に、シニア世代で『断熱改修(家の中の温度差の解消)リフォーム』をされた方から聞く声を紹介します。

○断熱改修で聞かれる声
・常に一定の温度で暖かい(起床時と帰宅時に実感)
・着衣が1枚減った
・布団に入ってすぐ寝られる(電気毛布や湯たんぽが不要に)
・エアコンを連続運転すると、夜トイレに行くときに寒くない
・エアコン連続運転で光熱費が以前と同じ程度で驚いていた
(電気代上昇分と暖房用のガス代や灯油代がゼロになった分で相殺)
・まだ足元は多少冷たく感じる
・エアコンに近いところだと気流が少し気になる

暖かいことを快適だと感じる声が多く、室内温度が一定なことは体に負担がかからない大切な条件になることがわかります。

また、「シニア世代」と一口にいっても60代と70代では評価のポイントが異なり、60代はライフスタイルが住空間に反映されることを高く評価する声が多く、70代ではそれより機能性(炊事や洗濯、片付け)を高めることを喜ぶ声が多くなるそうです。

これも、年齢を重ねるとともにちょっとした日常動作が不便になってくるので、その不便さをいかに解消するかが、大きなカギになります。

もちろん、各世代共通して評価が高い要素もあります。
オープンな間取りや回遊型動線(キッチンから洗面所など家の中の移動が壁などで止まることなく円を描くように動けること)と、段差解消、そして断熱です。

生活ゾーン全体が暖かくなることの評価は、若年層の何倍も高いそう。とくに築30~40年の住宅では、暖房器具としてガスヒーターや灯油ファンヒーターが多く使われていることもあり、その住宅を断熱改修して、エアコン暖房を可能にすることで室内温度を簡単に保てることや、省エネの効果に驚かれる方が多いそうです。

寒い時期の高齢者の灯油の入れ替えは、寒さや重さなど、心配なこともありますが、エアコン1台で簡単に快適な温度が保てる高断熱住宅は、シニアリフォームに欠かせない改修といえそうですね。

※参考記事 『人生を変える住まいと健康のリノベーション』

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