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ロングセラー『日本の原点シリーズ 木の文化』より「橅・楢・栗(ブナ・ナラ・クリ)」のご紹介

今回はシリーズより『橅・楢・栗』を紹介します。

その美しさから「森の女王」と呼ばれる橅(ブナ)や、ドングリでおなじみの楢(ナラ)、そして昔から鉄道の枕木として活用されている栗(クリ)の3種を中心に、広葉樹全般を広く扱います。


**本文「広葉樹の雑学」より**
広葉樹の仲間である「(キリ)」は、タンスや琴の材料として使われるほか、下駄の素材としても、軽くて割れにくいことから最高の材料とされています。
日本の下駄の三大生産地の一つとして有名な福山市(広島)ですが、産地としてなったきっかけは、もともと盛んだった製塩業が深くかかわります。
天候に左右されがちな塩づくりの副業として、製塩の薪を使って下駄づくりが発展したそうです。

・巨樹・巨木と橅の森林

橅・楢・栗の巨木
あがりこ大王【秋田】
小黒川のミズナラ【長野】
嶺方のクリ【長野】
函南原生林のブナ【静岡】
金袋山のミズナラ【東京】
猫ヶ島弥四郎の大クリ【石川】

広葉樹の巨木
蒲生の大クス【鹿児島】
賀恵渕のシイ【千葉】
古屋敷の千本カツラ【岩手】

この橅が村を守ってきた|白山麓のブナ林
どこにでもあった白神山地の橅林|牧田肇
信州に橅を植えはじめて|和田清さんに聞く

・広葉樹の建築と職人

未利用の雑木を数寄屋技術で住まいに生かす|安井清さんに聞く 木を生かす技法
世界遺産を支える栗材|合掌造りに見る栗の重要性
日本最古の橅の建築|山形県・立石寺(山寺)
ウイスキーの味わいを支える樽づくり|ウイスキー樽職人に聞く

・広葉樹の歴史

縄文文化を成立させた栗の重要性|三内丸山遺跡にみる
ブナ・ナラ・クリの文化史|鈴木三男
生木なら割りやすい栗|桜町遺跡の人力による復元作業
栗が支えた日本の鉄道輸送|栗のエキスパートに聞く

・ブナ林の登山道を自然に復元|白山でNPO法人が整備

・山林に学ぶ

新品種で価格下落に対抗する|きのこ栽培最新事情
何度焼いても同じ炭は出ない|炭焼きから山林を説く
木造校舎のぬくもりと安らぎ①②

・山麓の暮らし・里山の自然

里山を通して見なおす自然と人間の関わり|武内和彦
里山を地域住民が管理する|身近な自然を保全する取組み
すべての源「水」の信仰と橅|白山信仰をさぐる
白山麓が豊かだった時代|白峰の出作り
循環型社会のモデルを日本から

そのほか、広葉樹の基礎知識橅・楢・栗の基礎知識広葉樹の雑学も掲載。いま話題のアニメの主人公の生家として描かれる炭焼きも登場するなど、広葉樹のそれぞれの木の特徴のみならず、その役割までより深く読み解くことができる一冊です。