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家を長持ちさせるためには、屋根の雨漏りチェックと改修が重要

雨が多い季節が近づくと、屋根の状態が気になるところ。ふだん屋根は目につきにくい場所ですが、毎日、日差しや風雨から家を守ってくれる大事な部分なので、定期的なメンテナンスや点検をすることが大切です。

日ごろから気になっているところや、雨漏りなどの不具合がある場合は、劣化が進行しないように、早めの対策が肝要です。

◎屋根の点検時にプロがチェックする、素材別不具合のポイント

瓦屋根の場合
瓦屋根で多く見られる問題は瓦のズレ。瓦のズレの主な原因は、地震や道路、線路などの振動。通常はわずかにずれる程度でも、大雨の際に浸水します。隙間から入った雨水は、晴天時に蒸発しますが、長年浸水を繰り返すことで瓦の下にある瓦桟という構造材が腐食してしまいます。点検時に、瓦をはがし、瓦桟の腐食の有無など状態を確認してもらいましょう。

平板スレートの場合
平板スレート(コロニアル)の不具合で最も多いのが、強風で棟板金が飛ばされること。1990年代までは板金を留め付ける木下地が厚さ12㎜のものが多く、釘穴からの浸水により10~15年で木下地が腐食、釘が浮く事例が多く見られたそうです。改修する際には厚のあるものに交換、しっかりと留める施工をお願いしましょう。

金属屋根の場合
軒先部分では、毛細管現象(細い管などを伝って水分が高い位置へ上昇していくこと)により、屋根材の裏側へ雨水が回り金属を錆させてしまうことがあります。あわせて、屋根材を支えている材木も腐食してしまうことも。部分交換などをリフォーム時に合わせて対応してもらうことが必要です。

大規模リフォームをする場合でも、屋根までは手を入れないことが多いようですが、実際にはさまざま問題が起きていることもあり、築20年以上の建物をこれからも数十年住み続けるなら、本格的な改修が必要になる前に、点検を依頼してみると安心です。

屋根は、建物の耐久性を左右するほどの家を守る役割があります。不具合を見つけたら、早めに近くの工務店さんに相談して、建物の健康を保っていきましょう。

※参考図書 『リノベーション・ジャーナルvol.15』
-DIYから本格改修まで 性能向上リフォーム[計画・設計・現場]虎の巻-
より「性能向上リフォームの現場③」に、プロ向けの屋根の改修セオリーが掲載されています。

※参考記事 『人生100年時代の安心住まい|住宅寿命リスク』