2021夢日記 昔の彼女と危険な鍋 ji-jyo 12月10日
僕は今年に入ってから毎日、夢日記を書いている。過去のものは月別にマガジンを作成してあります。
昨日の夢は懐かしさと戸惑いと驚きに翻弄されるような展開だった。
始まりは間もなく夕方に差し掛かる昼下がりに田舎の商店街を一人歩いているところからだった。
目的もなくただブラブラと歩いていると前の方からどこか見覚えのある女性が歩いてくる。あれは…。
やっぱりそうだ。だいぶ昔に少しだけ付き合っていた元カノだ。間違いない。このまますれ違って向こうは気付くだろうか。
こちらから声を掛けるのも何だか気まずい。もしこのまま何事もなくすれ違うのならこっちも気付かなかったことにしよう。そう思いながらうつむき加減で歩いていると、
『あれ!? 久しぶり! ねえねえ今暇? 良かったら家この近くだから寄ってかない?』
彼女のまるで何事もなかったかのような明るい問いかけにさっきまでの気まずさは一気に消し飛んだ。
『えっ? ああ、まあ暇と言えば暇だけど…。』
『じゃあ本当にすぐそこだから行こっか!』
そう言えば当時もそうだったな。いつもどんな時も積極的で僕は所かまわず連れ回されていたっけ。まあそういうところが大好きだったんだけれど。
言われるがままに商店街の中にある古びた階段を上ると、彼女が今住んでいるアパートに到着した。
『ちょっと古くてびっくりしたでしょ? でもおかげでこの2階の4部屋は全部くり抜いて私一人で使わしてもらってるんだ。どうぞ上がって。』
案内された彼女の部屋は言っていた通り4部屋分の大きなスペースに、きっとお気に入りであろう高そうなインテリアでいっぱいだった。ただ…。当時もそうだったけど部屋の中は割と散らかってる。昔から片付けとかは苦手な人だったからな。
『ねえー! ちょっと! お客さん!! 来たからチャチャっと片付けしちゃってよ。何で終わってないの~? 今来たところ?』
『あれ? 誰かいるの? それじゃあお邪魔だし帰るけど…。』
『あっ。いいのいいの。何人か使用人みたいな男の子たちに部屋の掃除させたりご飯作らせたりしてるだけだから。』
使用人? 男の子たち? いったい今の君はどんな生活をしてると言うんだ。
『あっ。それでね。誘っといて何なんだけど私これからスナックの仕事なんだ。0時までには帰るからそれまでここでくつろいでて。お腹減ったら冷蔵庫に食材はいろいろあるし好きに食べてていいからさ。じゃあ行ってくるね。』
で、出た。確かに僕は君の積極的なところが好きだったとは言ったけど、この感じだよ。当時も確かに積極的と言えば聞こえはいいが、全てにおいてそういう感じで時に全くと言って計画性のない行動が許容範囲を超えたことが別れの原因だったような…。
とは言っても彼女はもう出て行ってしまったし。使用人の男の子たちは黙々と部屋の掃除をしているし。そんな中に放り込まれた僕はいったいどういう状況なんだ。まあいいか。もう考えてもしょうがない気がしてきた。
そう言えば冷蔵庫に食材があるって言ってたな。当時彼女が好きだった鍋焼きうどんでも作って待っていようか。でもそんな食材や鍋が都合よくあるわけ…。ある! 何てことだ。普通あんまり常備してなさそうなものだけど。これは相変わらず好きでよく食べているということだろうか。
まあ、とりあえず思いついたそのものが目の前にあるんだからこれはさっそく作るしかない。彼女の帰りはまだ先だからうどんを入れる手前まで準備を進めておくとしよう。
鍋を火にかけながらぼんやりしていると再びいったい僕は何をしているんだという気持ちが湧き上がってくる。たまたま偶然にも元カノと再会してとつぜん家に誘われて使用人と呼ばれる男の子たちを目の当たりにし、主人のいない家で勝手に鍋焼きうどんを作っている。全くもっておかしな状況だ。
そんなことを延々と頭の中で考えているといつのまにか鍋の中のつゆはボコボコと沸騰し始めていた。いかんいかんと火を弱めようと手を伸ばしたとき急に鍋の淵から炎が立ち上る。
何だ!? 何だ!?
慌ててタオルを濡らして鎮火を試みるも火の勢いは増すばかりでなかなかうまく消火できない。
『あっ!? その鍋使っちゃいましたか!? それ何故かある一定の温度を超えると鍋自体が発火しちゃうんですよ!』
『えっ!?』
そんなことあるか!? そんな鍋があるのか!? 何でそんな鍋置いてあるんだよ。危なくて仕方ないじゃないか。それならそんな鍋は処分しておこうよ。もう燃え上がる炎になす術なく立ち尽くしていると使用人の男の子が真っ赤な消火器を持ってくるところで今日は目が覚めた。
ハチャメチャな展開だったな。夢の中とは言え再会という流れならもっと落ち着いた展開であってほしいなと願う朝だった。
さて、明日も夢日記を書いていこう。
【2021 11月夢日記 ~ji-jyo~】
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