ロシア情勢から見る日本の今後
歴史人口学者 エマニュエル・トッド氏が語る日本の今後の在り方を語る
2022/11/2に日曜報道に出演したエマニュエル・トッド氏が
橋下徹氏、木村太郎氏と討論したときの内容を抜粋しました。
エマニュエル・トッド氏の主張
プーチン体制が瓦解することはない。
ロシアの教育制度は25%の学生がエンジニアであり、アメリカの7%を凌ぐ。
経済制裁でも崩壊しない。ロシアのリーダーは分析しているし理解している。
日本にとって戦争後のことは非常に大きな問題。
今のヨーロッパはウクライナ戦争によってロシア経済よりもヨーロッパ経済は破壊されつつある。
戦争は西側とアメリカに非があり、全ての可能性を考えなくてはならない。アメリカの移民問題は社会的経済的な解決策はない。
雇用統計が良くても生産性は上がらなかった。社会経済的な危機(不平等)は生活水準を悪化させ、平均寿命を短くし高齢者に厳しいものとなった。
ロシアは戦争しても安定しているが、アメリカシステムは崩壊する。日本は問題として捉えなければならない。
科学者やエンジニアがアメリカ国内で少なくなっている。中国やインドからの移民で賄っている。(半分は)ウクライナの心配よりこれが問題。
つまり、社会を率いている国が問題となっている。日本は移民を管理しながら受け入れたほうが良い。
30年前から言っているが、出生率が低く物事の緊急性が強くなっている。
ウクライナ戦争は悲惨だが、ウクライナに関わらないほうがいい。
世界は台湾問題に関わるように促し、台湾が世界の中心であるかのように言われているが、アメリカは日本に対して中国とディカップリングせよと言うが、欧州に対しても同じことを言っている。
これは警告であって日本や欧州はアメリカに破壊されようとしている。
日本は中国と問題を抱えているが対話するほうが良い。
もちろん再軍備は必要。戦争をしないために必要。
そのためにも核保有は必要。日本は独自の安全保障を持たなくてはいけない。
アメリカを同盟国として頼ってきた事実はあるが、イラクに介入し撤退、欧州に介入し混乱させている。アメリカの信頼性を考えると独自の安全政策を考えたほうが良い。そこで人口問題があるわけだが、核兵器保有を考えるべきである。
橋下徹氏の反論
ロシアが瓦解するかしないかは分からないので、西側と安全保障について話し合うべき。
アメリカだけでなく欧州や中国、日本も課題を抱えている。
「ウクライナの戦争よりもアメリカの問題は危険」という意見には賛同できない。人口動態だけで中国が覇権国家にならないというのは違うだろう。
技術で乗り越えようとしているし、覇権国家にならないというのが何十年先か分からないが現実に防衛費はどんどん増えている。
木村太郎氏の反論
ロシアは瓦解させなければいけない。
かつてのドイツはポーランド内のドイツ国民を救うという名目で侵攻したが、同じことをプーチンはやっている。
アメリカの移民問題について、バイデン大統領になってからガソリンが高騰しインフレが上がり、粉ミルクがなくなるのは失政だ。
結果、トランプのほうが良かったとなる。遠くと交わり近くを攻めるということわざがある。
アメリカと仲良くし中国と対立は必然。核保有はいけない。
個人的意見
エマニュエルトッド氏の意見に賛成です。
日本人は基本的に短期的視点しか持たない。
長期的な視点が欠けており、戦後の政治家を筆頭に今もなお哲学がない。
国家の人口推移というのは非常に重要であり、経済を占う上でも当たり前に論じられるものです。
例えば、新興国を考える場合、成長力があるかどうかは労働人口の年齢層が一つのポイントとなるのです。
メキシコやインドは近いうちに躍進するのは間違いないということ。
中国が異常な速度で高齢化が進んでいるところを考えると、覇権国家になれない位置に来たというのは合致します。
橋下徹氏はそれを理解していない。
木村太郎氏はトランプ大統領を好きだというのは理解しています。
私もトランプ大統領派でもありますが、なぜトランプ大統領なのかということは、トランプ大統領が保守派でありロシアとうまくやっていけたはずだからです。よって戦争などあり得なかったはず。
この意見に賛同するのは少数派ですが、ドイツのメルケル氏も同じ立場でしたね。
以前にロシアがアメリカ大統領選に介入しトランプ大統領を勝たせたのも、イーロンマスク氏がTwitterを買収しトランプ大統領のアカウントを復活させたのも理由がある。
全ては繋がっているのです。
なぜなのか。
歴史とリアリズムを理解しているからです。
日本が核を持つ必要があるのは専制国家と戦争をしないためであり、世界の先進国を名乗りたいなら必要不可欠な防御策です。
防衛費で苦しむくらいなら核を持てば良い。
持つだけで相手は手出ししにくくなるのです。
それを理解すべき。
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