2021年8月その２～調査で知った意外な事実~

私は、夫のPASMOの履歴と財布の領収書をチェックすることを日課にしていた。行先・帰宅時間・外泊など全力で主人の行動を注視して、自分のカレンダーに記入していた。
　我ながら恐ろしい。恐ろしかろうが、最低な妻だろうが、何だろうが戦うと決めているので、知ったことではない。
あんな最低な茶番劇を演じて、妻をだまし、妻にこんなことをさせる夫が悪い。
　こんなことするから、浮気されるんだよ。っていう声もあるかもしれないけど、私だって浮気する前はこんな事してなかった。罪悪感は感じていなかったかと言えばうそになるが、夫が私を変えたのは事実だ。
　
　履歴を調べていくと何と、朝から会社にはいかず、X駅に直行している日が月に何日もある。仕事で行くような所ではない。一日その駅で過ごし、焼き鳥屋で飲んで帰ってきたりしている。

　X駅？

その文字を見て私の胸はもう一段苦しくなった。
というのもX駅は元妻の出身地でもある。やはり、浮気相手は元妻説がまた自分の中で浮上してきてしまう。全く知らない相手よりも、元妻の方が余計に腹が立つ。ふざけるな。
　
　探偵社Bの担当Hさんからは「先入観は捨てて、考えないとダメだよ」と言われてはいたが、どうもその説が頭の中を占領してしまう。思い込みの激しい性格・・・。
　そこで朝からX駅に行くことを見込んで、朝家から、調査をしてもらうことにした。
　騒動があってから、朝家を出る時間がすごく早くなっている。朝ご飯も家で食べなくなった。
調査をしたのはある火曜日の朝だった。
夫は朝、6時前に家を出て行った。家を出た瞬間に担当の探偵さんの携帯にワンコールで着信だけを残す約束になっていた。素晴らしいシステム。
今度の探偵社さんは、きちんと事前にあいさつの連絡をくださるし、名前も名乗ってくれる。（あたりまえだって）担当はOさんという男性だ。

驚きの行動

夫が出て行って、1時間後。探偵Oさんからメール。
「途中の駅で、40歳くらいのショートカットの女性と合流しました。」
途中の駅はX駅とは逆方向だった。会社の方向だ。
朝6時台から待ち合わせる女性？誰だろう？
私はドキドキしながら次の報告を待った。

「待ち合わせた女性と会社に出社されました。」
え？同僚？
夫は、小さな会社を経営しているが、社員はいないはず。
いつの間にか社員を雇っていたのか？アルバイト？
出社してしまったので、調査はそこで終了とした。
その夜も調査したかったが、あいにく人員の関係で
当日の調査は出来なかった。

相手は誰なのか？

探偵O氏によると、女性は30代後半から40代前半だという。
50代であろう夫の元妻ではないだろう。との見立て。
じゃあ誰なんだ？ただの同僚なのか？
ますます疑惑だけが広がった。
私は担当のＨさんに相談した。一度元妻の写真を見たことがあるので
今日待ち合わせした女性の写真を見せてもらった。
どう見ても、元妻ではない。
「わかんないけど、先入観を持って考えないほうがいいよ
。本当にただの同僚かもしれないし。
相手が誰でも、あなたがやるべきことは一緒なんだよ。」
とのことだった。そうだなと思った。
次の調査の日のタイミングをうかがうことにした。

おそらく最後の誕生日

早朝待ち合わせ出勤から、1週間後、私の誕生日だった。
夫から「誕生日に焼肉屋予約したから3人で行こう」と珍しい誘いがあった。どういう風の吹き回しなんだろうと勘ぐってしまうくらい、会話もなかったのに。
誕生日当日、娘と指定された焼肉屋に行くと夫はすでにビールを飲んでいた。
最初に「乾杯、おめでとう」と小さな声でボソッと言ったきり、肉を焼きながら何もしゃべらず、ずっとスマホを見ていた夫。

スマホの明かりで緑に照らされた夫の顔を見ながら
「家族で祝う最後の誕生日だろうな」と私は確信した。
この人の心はココにない。もう家族のことなんか全く考えていない。
信じられないくらい、肉はまずかったけど、いっぱい頼んでやった。

夫からのLINE

焼肉屋に行ってからわずか数日後、夫からLINEがきた。
夫は家に居場所がない、ずっと考えてきた。もう耐えられないから別に家を借りて生活したい。そこで少し気持ちを整理してから、離婚したい。頭がおかしくなりそうだ。
という趣旨の長々とした文章を送ってきた。
私の誕生日を何とかやり過ごしてから、送ろうと準備していたものだろうとわかった。

は？
この男は何を言ってるんだろう。
私のせいで、私に非があって、家に居場所がないから、辛いから出ていきたいという主張だ。私が何も知らないとでも思っているのだろう。あんな茶番(←過去投稿参照）がバレて日が浅い状態で、どの口が言うのだろう。
腹立たしくも、こんなしょうもない男と結婚してしまった自分を呪った。
ばかばかしい。
早く証拠を取らなくては。出ていかれては、証拠を取りずらくなってしまう。とりあえず、「夫には別居には同意できません。離婚もできません。」
（証拠を取るまではねｗ←心の中で）
という旨の返信した。