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7/9 ニュースなスペイン語 Delirio:妄想

今月末の総選挙(elecciones generales)に向けて、選挙戦が始まった(arranca la campaña electoral)。

国民党(PP)は、ボックス(Vox)との共闘(pacto)が各地で進んでいる中、さすがに、距離を置く方が得策と考えたか。

マドリード市政のナンバー2、国民党のボルハ・センペル(Borja Sémper(写真))はボックスが昨日発表した選挙公約(programa)について、次のように批判した。

ボックスの公約は、我が党が主張していることからかけ離れているだけでなく、かなり、高い確率で、妄想に終わるだろう。ボ党の主張はスペインの社会が必要としていることと正反対だ(No solo es que estén lejos de lo que defiende el PP, sino que en un porcentaje muy alto son un delirio. Las recetas que proponen son diametralmente opuestas a las que necesitan la sociedad española)。

国民党が「妄想」と断じたボックスの公約には、中絶推進法(la ley del aborto)、安楽死法(la de eutanasia)、ジェンダーバイオレンス法(la de violencia de género)を廃止する(derogar)ことなどが含まれる。

極右らしい超保守的な立場だが、それにしても、ボックスとその支持者たちは50年ほど前の価値観をそのままに生きていることに驚く。

センペルは、国民党は1党(en solitario)での政権奪取を目指し、これは困難なことだが、不可能ではない(difícil, pero no imposible)としている。

そして、もし、ボックスと何らかの合意に至らなければならないとしたら(Y en el supuesto de que tuviéramos que llegar a un acuerdo con un partido político, con Vox)、それは「いかなる犠牲を払ってというわけではない(no serían a costa de cualquier cosa)」と牽制。

そして、「ボックスが抱いている妄想(en delirios que tiene Vox)」ではなく、「合意内容とスペインの未来(estarían basados en contenidos y en el futuro de España)」に基づくべきとする。

その一方で、ストレマドゥーラ州やバレンシアですでに動き出したボックスとの連立政権については支持する(ha defendido)。

褒め過ぎず、かと言って、批判もし過ぎないバランス。

各党の票を獲得するための駆け引きが面白い。

写真はボルハ・センペル。

ちなみに、センペルというのは、この人以外では聞かない名字なので、ちょっと、クグッてみたが、バスク系のようだ。

出典
https://www.rtve.es/noticias/20230707/pp-delirio-programa-vox/2451584.shtml