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ニュースなスペイン語 Barçagate:バルサゲート作戦[3月2日 修正版]

1970年代にアメリカ合衆国で起きた政治スキャンダル「ウォーターゲート事件」になぞらえて命名された作戦名ー。それが「バルサゲート作戦(Operación Barçagate)」だ。

カタルーニャ州警察(Mossos d' Esquadra)は、バルサゲート作戦の中で、FCバルセロナの前会長ジョセップ・マリア・バルトメウ(Josep Maria Bartomeu)を1日、自宅で逮捕した。また、バルトメウ以外にも、他3名が同日、自宅やホームグランドであるカンプ・ノウスタジアム(Camp Nou)内の事務所で逮捕された。

当時のバルトメウ陣営に批判的な選手や団体の名誉を失墜させるー。こんな裏工作の存在を昨年2月、すっぱ抜いたのがCadena SERラジオ局だった。

この情報操作の中心となったのが、アルゼンチン人カルロス・イバニェス(Carlos Ibáñez)が代表を務めるアイスリーベンチャーズ(I3 Ventures)という会社だ。同社は6つのアカウント(la cuenta)を作成し、バルトメウ陣営に批判的なレオネル・メッシ(Leonel Messi)やジェラル・ピケ(Gerard Piqué)などの名誉を損なうよう(erosionar, difamar)な記事やツイートなどをネット上に公開していたという。

アイスリーベンチャーズ社への報酬の支払いの手口も巧みだ。同社との契約を6つに分け、1回の支払額を20万ユーロ(約2573万円)を超えないようにすることで、サッカーチームの諮問委員会(la comisión delegada)の監査に引っかからないようにしていたらしい。

「メッシはドラえもんで、私はのび太だ。いつも私は、トラブルを解決してくれるようお願いしている(Leo Messi es Doraemon y yo soy Nobita porque siempre le pido que lo solucione todo)」とバルトメウは、かつて、語っていた。

今回ばかりは、ドラえもんも助けられない。

写真はDepor紙(2020.10.27)より。辞任を発表した時のバルトメウ。

【お詫び】初版では、「バルサゲート作戦」を、アイスリーベンチャーズ社が行なった情報操作の作戦名としていましたが、実際はバルトロメウら関係者たちを逮捕するための作戦名でした。修正してお詫びします。これに伴い初版の一部を加筆修正しました。

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