7/29 ニュースなスペイン語 No a la independencia:独立反対
カタルーニャ州で、定期的に行われている世論調査で、カタルーニャの独立反対派(no a la independencia)の割合が、3月から4ポイント上がり、52%に達した。これはここ7年間の中で最も高い値。一方、独立派(independentista)の割合は、前回調査より3ポイント下げ、41%に留まった。ちなみに7%が無回答(no responde)。
調査を実施しているのは、「世論調査センター(Centro de Estudios de Opinión)」、通称CEOで、これは、小生の記事でも度々、登場する「社会動向調査センター(Centro de Investigación Sociológica;CIS)」のカタルーニャ版だ。
同調査によると、独立賛成派も反対派も、政治対立を解消するためには、交渉が必要と考えている(debe haber una vía pactada para resolver el conflicto político)。
カタルーニャ州では、今のところ、国家としての独立熱は冷めつつあるとは言え、しかし、州民の40%が独立を支持している。
しかも、カタルーニャの人々が一番評価(el mejor valorado)しているのが、独立派の代名詞でもあるウリオル・ジュンケラス(Oriol Junqueras)だ(写真)。
州民が付けた成績は10点中5.1点。まぁ、次第点(aprobado)だ。
ジュンケラスは独立のための国民投票(refrendum)を扇動したとして、2019年10月から収監され、2021年6月に中央政府の恩赦(indultado)によって出所してきた人物だ。そのジュンケラスへの評価が依然として高いあたり、カタルーニャの独立意識が、まだまだ、健在ということの現れか。
カタルーニャ州の人々の34%が独立性(independencia)を確保できるような政治体制(modelo político)を望んでいる。
国家としては独立せずに、スペインに留まりつつ、政治的な独立性を保つ――。
かといって、例えば、同じく独立志向の強いバスク州が目指す地域主義(regionalismo)の道は歩まない(地域主義の支持はわずか8%)。地域主義は、ともすると、独立を通り越して孤立に陥りかねない。これは、州にとっても、そこに暮らす人々にとっても得策ではない。
いろいろ考えると、まぁ、この辺りが理想と現実の落としどころか。
写真は独立賛成派(青線)と反対派(赤線)のここ数年の変遷。2019年あたりを境に、反対派と賛成派の割合が逆転し、今日に至るまで、その差は広がる一方だ。