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4/30 ニュースなスペイン語 Delfines militares:軍用イルカ

スペインではなく、ロシアでの話。

この度、アメリカ合衆国の衛星写真(imagen satélite)から、黒海(Mar Negro)のセバストポリ港(puerto de Sebastopol)に、軍事訓練された(adiestrado)と見られるイルカたちの檻(corral)が2つあることが確認された。

イルカたちは、ロシア軍が黒海に駐留させている戦艦(barcos rusos anclados)の保護任務にあたっているという。

どういうことか。

セバストポリ港は、地中海(Mediterráneo)を臨む位置にあることから、ロシア軍にとって地政学(geoestratégico)観点から要諦であるという。従って、無数の戦艦を駐留させている訳だか、裏を返せば、ウクライナやNATOにとっても重要な港であるということ。そのため、様々な攻防が繰り広げられている。

ここで言うイルカは「バンドウイルカ(ハンドウ〜)」である。スペイン語では、英語のBottlenoseを直訳し、delfin nariz de botellaと言う。

彼らの任務は、海底に沈んだものの回収(recuperar los objetos hundidos)、機雷位置の特定(localizar las minas)、敵のダイバーの侵入を防ぐ(disuadir los buzos enemigos)と、なかなか、多岐にわたっている。

軍事訓練されているイルカの存在は、実は、2017年に、ロシアの国営テレビ(televisión rusa estatal)自らが公表している。イルカの他にもベルーガ(シロイルカ(beluga)) 、アザラシ(foca)、アシカ(león marino)も軍事訓練されているらしい。

イルカやベルーガは高度なエコーロケーション(ecolocalización)能力を持っていて、水中のモノの位置の特定に長けている。

ヒトの開発したテクノロジー(sistema tecnológico)では複雑な海岸線(orilla)を航行するのは難しいが、イルカたちはそんなことはお構い無しだ。いちいち海岸線にビクついてたら、イルカ稼業はつとまらない。

だから、最新技術にも劣らないエコーロケーション能力によって、ロシア海軍を助けられる。

アザラシやアシカにはエコーロケーション能力は備わっていないが、海中でもよく利く視力(vista eficaz bajo el agua)がある。それぞれの能力に合わせた任務が与えているのだろう。

イルカ、ベルーガ、アシカなどは知能が高く(gran inteligencia)、学習能力(capacidad de aprendizaje)もある上に、海中での運動能力(destreza)にも優れ、機敏な動き(rapidez)もできる。

なまじ、能力が高い故にヒトの、しかも、戦争にも駆り出されてしまい、本当に気の毒だ(例えば、ネコなんて、おバカで自分勝手だから、絶対、軍用には向かない(から、愛おしい))。

彼らの能力がもっともっと平和に使われる日が来てほしい。

写真は記事で紹介した衛星画像。画面中央にふたつのフェンスのようなものが写っている。

ちなみに本日紹介した記事には、Rusia depliega los delfines「ロシア軍用イルカを配備」というタイトルが付いている。Depliegaは通常、戦車部隊など対して使う単語。動物には、普通は、使わない。普通でないことが起きるのが、戦争だ…。

出典
写真https://globalnews.ca/news/8797487/russia-dolphin-pens-black-sea-naval-base-satellite-image/amp/

本文
https://www.rtve.es/noticias/20220429/rusia-despliega-delfines-proteger-flota-mar-negro/2344140.shtml