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1/31 ニュースな日本語 Junji Ito:イトウジュンジ

伊藤潤二(1963~(写真))という名前は、時々、スペイン国営放送のニュースサイトの文化欄に登場する。

Maestro del manga de terror(ホラー漫画の巨匠)という紹介のされ方をよくするが、小生は、寡聞にして、この漫画家のことはよく知らない。

伊藤の代表作に「Tomie」と「Uzumaki」があるそうなのだが、表記が全く思い当たらない。

前者は日本語で『富江』と書くらしい。富江は「自らを愛した者たちを狂気へと搔き立てる不死身の少女(una niña inmortal que impulsa a sus admiradores a la locura)」だという。

『富江』

1987年に漫画誌に掲載されて以来、映画によるシリーズ化がされていて、これまでに10作が上映されている。テレビドラマ版もあるみたいだが、いやはや、どれも見たこともない。

後者の「Uzumaki」はひらがなで『うずまき』と書く。

『うずまき』

伊藤はヨーロッパで最も重要だとされている「仏国アングレーム コミックフェス(1月26日~29日)」にも招待されていて、しかも、「伊藤潤二-妄想の洞窟の中で-(Junji Ito, Dans l’antre du délire)」というブースまで設けてもらっているというから、その業界内での評価は揺るぎない(のだろう、多分)。

2021年にはアメリカで最も権威のある漫画賞のひとつ「アイズナー賞」を『地獄星レミナ(Hellstar Remina)』で受賞。

『地獄星レミナ』

伊藤は昨年と過去の作品を合わせると計4回受賞している。これは日本人としては、5回受賞歴の手塚治虫に次ぐ快挙と聞くと、あぁ、伊藤はすごい漫画家なんだなと、やっと、実感が湧く。

小生は漫画を語れるほどいろいろな漫画を見たわけではないが、楳図かずお作品に似たパワーを感じる。

とは言え、未知のものを判断するのは、結局、既知の経験との比較なんだなぁと実感すると共に、知識はアップデートしなきゃ駄目だなとも痛感する。

外国語経由で初めて知る自国人の経歴は中々新鮮だ。

ネイティブから

「伊藤潤二って知ってる?(¿Conoces a Junji Ito?)」

という質問を受ける日も来るかもしれなあか。その時のために、

「あぁ、ホラー漫画の巨匠だろ?『富江』ってさ…(Ahh, sí, lo conozco. Es un mastro del manga de terror, ¿no? Tomie es…)」

と答えてられるようにしておこうか…。

写真は伊藤潤二。1987年まで歯科技工士(protésico dental)だったというから、 異色の経歴だ。

出典
https://www.rtve.es/noticias/20230127/junji-ito-maestro-del-terror-manga-cine-television/2418370.shtml