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5/30 ニュースなスペイン語 Elecciones generales:総選挙

私は、スペイン政府の長として、そして、社会労働党の書記長として、今回の選挙の結果を重く受け止める。今こそ、この結果に対する答えを出す時で、国民の審判に委ねることが必要と考える(Como presidente del Gobierno y como secretario general del PSOE, asumo en primera persona los resultados y creo necesario dar una respuesta y someterlos a la voluntad popular)。

5月28日の選挙の結果を受け、ペドロ・サンチェス(Pedro Sánchez)首相が行った会見の弁である。

サンチェスの覇気のない顔(写真)と元気のない内容からもわかるが、今回の選挙でスペイン社会労働党は大敗(derrota)を喫した。

詳しくは、稿を改めるが、牙城(un principal bastión)であったセビージャ市を含め、バレンシア州、エストレマドゥーラ州、アラゴン州、ラ・リオハ州、バレアレス諸島州で、国民党(PP)に次々と敗退した。

冒頭の訳には反映できなかったが、サンチェスはこの選挙結果を「自分のこととして(en primera persona)」と表現した。

つまり、サンチェスが自身の責任を認めた格好。

会見では

1.これまで、年末あたり、と囁かれていた総選挙を7月23日に前倒しする(adelanta)

2.議会を解散(disolución de Cortes)する

というふたつの決定が表明された(正確には、1.をフェリペ6世に伝えたと宣言した)。

会見は月曜日の11:00過ぎに行われたが、会見内容は「執行部の中核メンバー(el núcleo más duro del jefe del Ejecutivo)」のみに知らされていたようだ。

しかし、大部分の政治家には不意打ち(por sorpresa)だったという。

政府筋によると、サンチェスの懸念(lo prepcupante)は惨憺たる組織的な敗退(debacle institucional)ではなく、むしろ、このことで、多くの選挙区で相応の存在感を示したボックス党(Vox)が、市議会や州政府(ayuntamientos y gobiernos autonómicos)に流れ込んでくるということ、らしい。

ボックスのこうした躍進を防ぐべく、前述のようなふたつの決断をしたという。つまり、一言でいえば、「極右と国民党による連立政権をスペイン人が望むか否か(digan si quieren un gobierno del PP con la extrema derecha)」を問う総選挙となる。

結局、1と2は月曜日の午後、臨時閣議(un consejo de ministros extraordinario)で承認され(ha sido refrendada)、水曜日にも官報(Boletín Oficial del Estado)に公表される運びとなった。

首相の総選挙前倒しの決断は、社会労働党内では、概ね、良好に受け止められていて、「的を射ていて、勇敢かつ適切な決断(decisión acertada, valiente y adecuada)」と評する党員もいる。

そして、「社会労働党の準備は整った(los socialistas están preparados)」という声も聞かれ、総選挙に向けて、国民党とボックス党の連立を迎え撃つ覚悟もできているようだ。

まだまだ、書き足らないところがあるが、情報の整理もできていないので、今回はここまで。

写真は会見に臨むサンチェス。「会見」としたが、正確には「制度上の宣言(declaración institucional)」なので、記者からの「質問はナシ(sin preguntas)」。

なお、サンチェスが選挙結果を「自分のこととして」認めた態度が党内では「勇気ある行動(valentía)」と取られたようである。

日本語で言うところの「いさぎよい」に当たるところか。

出典
https://www.rtve.es/noticias/20230529/sanchez-comparece-moncloa-resultados-28m/2447787.shtml  など