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1/13 ニュースなノルウェー語 Kraken:クラーケン

小欄初のノルウェー語。

タイトルでは「ノルウェー語」としたものの、スペイン語で書かれた語源解説を見ると「スカンジナビア語(北ゲルマン語)の単語(palabra escandinava)」とするものもあるので、ノルウェー語を含む、スカンジナビア半島の言語群を発祥とする語とするのが正確。

クラーケンとは、元来、海にすむ伝説の怪物(monstruo marino)のこと(写真)。

巨大なタコ(pulpo gigante)とするのが定説のようだが、巨大なイカ(calamar gigante(≒ダイオウイカ))とする解説もある。

クラーケンは、現在、中国やアメリカ合衆国で猛威を振るっている、コロナウィルスのオミクロン株の変異種(variante)「X.B.B.1.5」の別名として、日本をはじめとして、各国で用いられている。

クラーケンも、そして、もうひとつ強力な変異種「B.F.7」も、感染力は従来のもの(predecesoras)より強い(contagiosas)ものの、重症度も(gravedad)、そして、毒性(virulencia)もそんなに高くないらしい。

ウィルスの感染力が高いとその毒性が低いーー。感染学のド素人である小生が、この3年間で学んだことのひとつ。毒性が弱いから人が動き回り、いろんなところにウィルスが運ばれてゆく。単純明快な反比例関係。

もちろん、高齢者(ancianos)や免疫機能の低下している人たち(inmunodeprimidos)が用心しなければならない点は、これまでの変種と変わらない。

クラーケンとB.F.7は同じような症状(síntoma)を示すらしい。

鼻づまり(congestión nasal)、鼻水や痰(たん)(mucosidad)、筋肉の痛み(dolor muscular)、頭痛(dolor de cabeza)、倦怠感(sensación de cansancio)、そして、時に発熱(en ocasiones, fiebre)などだ。

そして、潜伏期間がこれまでの変種より短い(período de incubación es más corto)ので、感染してから、症状がすぐに出るらしい。

ところで、日本でコロナに感染した人たちは、一同に、のどの痛みを訴えているので、日本は、中国やアメリカとは、ちょっと違う路線を行っているのかも。

とは言え、感染力の強いクラーケンのことだ。日本に上陸するのも時間の問題だろう(ちなみに、現時点で、スペインではバスク州とマドリード州の2つの州で、それぞれ1例ずつ、クラーケンが出現しているらしい)。

まぁ、少しでも、怪物のことが分かっていれば、察知も早まるだろうし、不安も軽減する。気持ちだけでも備えておこう。

専門家たちは、現在のワクチンは重症化のリスク、入院、死亡を軽減している(las vacunas actuales continúan protegiendo contra los síntomas severos, hospitalización y muerte)と説く。だから、スペインのように(como es el caso de España)、ワクチンの接種率が高い国では、重大な問題(problemas importantes)を引き起こす可能性は低い(parece poco probable)らしい。

今回参照している記事は次のように締めている:

スペインは、中国と違い、約3年の間、ウィルスが広く蔓延したことで、中国より強固な免疫の壁を打ち立てることができた。これに加えて、国民の間でワクチンの接種率も大変高い(A diferencia de China, España cuenta con una cobertura vacunal muy superior entre su población, además de que el virus ha circulado con profusión durante estos casi tres años de pandemia, lo que ha ayudado a levantar una barrera inmunológica más sólida.)

ウチのワクチン政策は、オタクのゼロコロナ政策とは違いますから――。

ワクチンを既定の回数(2〜3回)打った(vacunación completa)割合が85.93%と、集団免疫を達成間近のスペインの自信がにじみ出ている。

写真はクラーケン。

ちなみに、スキージャンプで、以下のように足を前後にずらして着地することを、冬季オリンピックの解説などで、「テレマーク」と言っているのを聞いて、どんなマークなのかなと思い、昔、ググってみたことがあった。

どうやら、ノルウェーのテレマルク地方(Telemark)発祥のスキーの原形となるスポーツの滑り方ということが分かって、小さく感動したのを思い出す。

あと、地理の時間に習った地形「フィヨルド(fjord)」もノルウェー語(ちなみに、同じく地形を表すリアス(式海岸)はスペイン語の「rías」由来)。

クラーケン、テレマーク、フィヨルド――。日本で聞く数少ないノルウェー語由来の単語たち。

出典
https://www.rtve.es/noticias/20230109/consiste-kraken-bf7-nuevas-variantes-omicron/2414832.shtml#amp_tf=%251%24s%20%E3%82%88%E3%82%8A&aoh=16734750525504&referrer=https%3A%2F%2Fwww.google.com&ampshare=https%3A%2F%2Fwww.rtve.es%2Fnoticias%2F20230109%2Fconsiste-kraken-bf7-nuevas-variantes-omicron%2F2414832.shtml