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2/7 ニュースなスペイン語 Reforma:改正

スペイン社会労働党(PSOE)は6日、ついに通称「ハイはハイだけ法(Ley del 'solo sí es sí')」の改正案(reforma)を、連立パートナーであるポデモス党(Podemos)との合意なしに(sin acuerdo)、議会で緊急決議(por la vía de urgencia)する方針を決めた。

社会労働党のこのやり方に対して、関係各党が示した見解が

① 残念だ(ha lamentado)
② 訳が分からない(inexplicable)
③ 傲慢だ(soberbia)

である。

①は社会労働党の言い分で、ポデモス党との合意に達していないことは「残念だ」ということ。

一方、連立パートナーから無視されたポデモス党としては、当然、②のように「訳が分からない」と言いたくもなる。

そして、最大野党である国民党(PP)の見方が③だ。なぜ、「傲慢」なのか。

実は、国民党は法改正自体には賛成票を投じる(ofrecer los votos)ことを表明していたのだが……。

スペイン社会労働党は

国民党は本法のことを全く望んでおらず、そんな党と交渉の余地はない(Con el PP, que no quiere esta ley, no tenemos nada que negociar)

と述べ、国民党の支持を真っ向からに突っぱねた。

しかも、

国民党は、我が国の女性たちの権利の平等の前進に貢献してきたどんな法律にも賛成してこなかった(no quiere esta ley como no ha querido ninguna de las que han supuesto un avance en la igualdad en los derechos de las mujeres de este país)

と党方針に踏み込み、批判した。

まぁ、賛成票を投じることと引き換えに何かを企んでいた国民党の下心はいやらしいとは言え、日ごろは犬猿の仲だけど、今回ばかりは法改正に向けてお互い頑張りませんか、と歩み寄ったのだから、ツレナイ態度の社会労働党に対して、「傲慢」と言いたくなる気持ちも分かる。

さて、社会労働党としては、

これから、調整期間に入る。我が党としては対話をし、合意に達するよう努める。我々は本法を望み、不適切な結果(注:暴行犯の減刑ラッシュ)を正したいと思う全ての人たちとの合意を持ちたい(Ahora se abre el periodo de enmiendas. Seguiremos hablando y tratando que haya acuerdo, porque queremos acordar con todos aquellos que quieren esta ley y eliminar los efectos no deseados)。

というスタンスも崩していない。

さて、スペイン社会労働党の改正案の骨子はふたつ:

1.罰則(penas)を引き上げる
2.明確な合意(consentimiento)については手をつけない(no afecta;no se toca)

1については、減刑ラッシュの原因となっていた部分で、本法以前の刑法(Código Penal)に戻す形。

2については、法律の心臓部(corazón de la norma)と目されている部分なので、本法の精神を尊重する格好。

まぁ、バランスはとれているように思うが・・・

社会労働党は、ポデモス党から

この改正案を可決するために、野党である国民党の方を向くか、それとも連立パートナーであるポデモスの方を向くのかを決めるのは、社会労働党だ(ahora el PSOE tendrá que decidir "si mira al PP o a la izquierda" para lograr los apoyos para aprobarla)

とすごまれている。

いやはや、難しいかじ取りが続く。

写真はスペイン社会労働党の国会担当報道官(el portavoz del PSOE en el Congreso)のパチ・ロペス(Patxi López)。今回の改正案を発表した人物。

出典
https://www.rtve.es/noticias/20230206/psoe-registra-sin-unidas-podemos-reforma-ley-solo-si-si-se-abre-negociar/2421806.shtmlなど