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4/10 ニュースなスペイン語 Marqués :侯爵

コロナ感染か始まった昨年、マドリード市に対して販売されたマスク(mascarilla)などの衛生用品(material sanitario)を巡り、数百万ドルに及ぶ手数料(comisiones millonarias)を得たとして、ふたりの企業家が詐欺などの容疑で、刑事告発された――。こんな記事を昨日、紹介した。その続報である。

ふたりの企業家の名前はルイス・メディナ・アバスカル(Luis Medina Abascal)とアルベルト・ルセニョ(Albero Luceño)。

ルセニョは「なぞ多き企業家(empreario misterioso)」と言われている。企業家としての実績がないわけではないのだが、ここで紹介するほどでもない。

驚くのが、相方のメディナに「侯爵」という称号が与えられている点だ。メディナは、そう、貴族(aristocracia;familia nobiliaria)なのだ。日本では、庶民が耳にするとすれば、「独身貴族」とか「鳥貴族」くらいしかないが、ヨーロッパではしっかりと現存する特権階級だ。

メディナはいわゆる「ジェット族(jet set)」でもあり、豪勢なライフスタイルをおくっていて、2014年には、ドルチェ・アンド・ガッバーナのイメージキャラクター(imagen de marca;embajador)にも抜擢された。従って、まぁ、名実ともに「貴族」だ。

メディナは、2014年、フランスの雑誌で「世界で最も魅力的な独身男性(el soltero más atractivo del mundo)」と報じられたこともあり、もちろん、数々の浮名を流した。

輝かしい一面を持つメディナだが、実は、彼の家庭環境はかなり壮絶だった。これはまた、どこかの記事で紹介することにしよう。

ちなみに、この一連の詐欺事件は「マスクによる荒稼ぎ(pelotazo de mascarillas)」という名称で呼ばれ始めている。

写真はルイス・メディナ(画面左)と母親であるナティ・アバスカル(Naty Abascal)と兄のラファエル・メディナ(Rafael Medina)。華麗なる一族だが、実は、ふたりの父親であるラファエル・メディナ・イ・フェルナンデス・デ・コルドバ(Rafael Medina y Fernández de Córdoba)は自殺している。

出典
https://www.rtve.es/noticias/20220408/quienes-son-luceno-medina-comisiones-mascarillas/2329481.shtml