見出し画像

2/8 ニュースなスペイン語 Tractorada:トラクターの集団

スペイン語では、単語の後に付ける「-ada」は「まとまったもの(conjunto)」を意味するので、例えば、「vaca(牛)」に「-ada」が付けば、「牛の大群」ということになる。

この発想にならえば、 「トラクター(tractor)」に「-ada」が付けば、今日のキーワード「トラクターの集団」ということになる。

現在、このトラクターの集団が、スペイン全土で主要道路を閉鎖(corte de carreteras)している。

これはスペインの農業事業たちのデモ(movilización)によるもので、今日で2日目(segunda jornada)に突入した。

フランスを震源とした農業デモ行進(marcha agraria)が、他のEU加盟国にも飛び火した形。

スペインの農家は現在、統制の取れていない市場(un mercado desregulado)に苦しめられている。

この統制の取れていない市場とは、モロッコ(Marrueco)などをはじめとする、EU圏外の第三国(eextracomunitario)から安価(a bajo precio)の輸入品が入ってくる現状を指している。

このことで、当然のことながら、EU圏内のみならずスペイン国内の農作物が圧迫される(presionan)。

もうひとつ厄介な点。

ウクライナ戦争(guerra en Ucrania)によって燃料や肥料などが高騰していることに加え、スペインに特有の問題(problemas específicamente del campo españo)として、干ばつ(sequía)による収穫量の低下がある。

収穫量が少ないから、当然、農作物の市場での価格は上がるから、安価な輸入品に消費者が走る。このことで、国内の農業が圧迫される――。典型的な悪循環。

こうした負のスパイラルを断ち切るために期待されているのが、農作物連鎖法(Ley de la Cadena Agroalimentaria)の改正だ。

不誠実な取引を禁じ(prohibir las prácticas desleales)、生産費を価格に転嫁できるように補償する(garantizar que el precio que se les paga cubre los costes de producción)ように改正されれば…という生産者からの願いを踏まえ、ペドロ・サンチェス(Pedro Sánchez)は同法の強化(foryalecer)を公言した(se ha comprometido)。

もうひとつサンチェスが公言しているのが、ミラー条項(cláusula espejo)の導入(implementar)だ。

ミラー条項とは、 EU圏内に入ってくる全ての農作物と畜産物(todos los productos agrícolas y ganaderos)に対して、互換性を義務付ける(exigir reciprocidad)ものとされている。

言い換えれば、ミラー、つまり、鏡のごとく、EU圏内でかけられている諸条件を、圏外から入ってくるモノにも同様に写す(課す)条項。

抗議活動は始まったばかり。

なお、同じ道路を使う運送業者(transportistas)からは、主要道路封鎖をやめるよう要請も出てきている。

大渋滞(atasco)が各所で起こっているので、運送業は商売あがったり。

写真はカタルーニャ州の道路封鎖。

出典
https://www.rtve.es/noticias/20240202/claves-demandas-agricultores-espana-gobierno/15952784.shtml