見出し画像

【政策⑭】日本の社会保障負担は世界の比べてどうなの?

 前回、消費税の増税分の使いみちを、①プライマリーバランスの黒字化、②社会保障制度の充実、に利用するとご説明しました。

 すでに5→8%、8→10%と消費税が上がっている中で、それ以上の負担なんてできるわけないだろう!消費税を上げて、消費の落ち込みをこれ以上加速させてどうするんだ!などの意見もあるのは承知しています。そこで、今回は、諸外国と比べた日本の税負担について考えてみたいと思います。

日本の社会保障に対する国民の負担割合とは?

 結論から言うと、日本の社会保障は「中福祉、低負担」です。

 まず、日本の社会支出(広範な意味での社会保障費)を対GDP比でOECD(日・米・欧を含め38カ国の先進国が加盟する国際機関)諸国と比べてみると(世界の比較的裕福な国同士で比較してみるということです)、下図のようになります。

社会保障給付費の国際比較
社会実情データ図鑑より

 このように、日本の社会支出対GDP比は22.4%と、OECD諸国の平均20.4%を上回っており、20/36位となっています。(つまり、OECD諸国の平均より社会保障が手厚いということです)

 その一方、社会保障に対する国民負担率は、下図のようにOECD諸国で比べると36カ国中25位で、国民の負担はOECD諸国では比較的少ないほうだと分かります。

国民負担率の国際比較
財務省ホームページより

 つまり、日本の社会保障制度は「中福祉、低負担」と言えるのです。もちろん、それでは釣り合いが取れません。この低負担な分は、赤字国債を発行して補っています。つまり私たちは、将来の負担の上に現在の社会保障を享受しているということになるわけです。

 けれど、先延ばししていた夏休みの宿題もいつかやらなければいけないときが来るように、私たちはこの問題に真剣に向き合わないといけないときが必ず来ます。そして、誰も言わないのなら、誰かがそれを言い出さなければならないと思っています。

 本来、それは長い間政権を担っている与党の仕事です。

 しかし、既存の政治家は、国民の反発を恐れて負担と向き合うような主張をすることができません。

 目の前の自分の議席を、権力を、失うのが怖くて、必要なことを必要と言うことができなくなっているのです。

 次回、これまでの政策の総まとめと、今後の私たちの考えをまとめとしてお示ししていこうと思います。


この記事が参加している募集

みんなでつくる春アルバム

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?