わたしの弱さを、愛するために。ジブン研究をはじめました。
みんなそれぞれに、それぞれの生きづらさをかかえている。けれどそれは悪いことではなく、その生きづらささえも、わたしらしさにつながっている。
はじめまして!原田優香(はらだゆか)と言います。みなさん、どこからこの記事に辿りついてくれたのかなあと、思いながら書き始めています。
きっと「ジブン研究ってなんだ?」「わたしらしさを大切にする”技術”を身に着けたい」と思っている人が多いんじゃないか。そんなふうに想像しながら書きはじめます。
▼ジブン研究HPはこちら▼
https://jibunkenkyu.com/
わたしの特性
だれしもにある、生きづらさ。わたしのそれは、大きく分けると3つあって、
①極度の不安症
②二分化思考(白か黒かでグレーがない状態)
③アンガーコントロールが苦手
です。
調子が良い時はこれらの特性は出ず、いつもの元気な私です。ですが、調子が悪くなると(特に生理前や低気圧、他人と何か諍いがあった時など)特に人間関係の面でこれらの特性が出やすくなります。
私は、これらの特性を客観的に捉えるために、こんな特性に「鬼さん」という名前をつけています。
「鬼さん」が出てきたら、「あ、今日は鬼さんが出てきた」と友人や仕事仲間やパートナーに事前にお知らせたり、少し休んだり。名前をつけることで、付き合いやすくなったなあという感覚があります。
苦労したこと、大変だったこと
「鬼さんがいるから、できること」も、たくさんあります。たとえば自分の湧いてきた自然な感情を大切にできること。
けれどきっと、「自分の弱点」と思っている特性を見つめるとき、たくさんあるであろうポジティブな面ではなく、ネガティブな面にフォーカスしてしまいがち。私もそうです。
例えば、メッセージでいつも返事をくれる人から返事が全然こなかったり、素っ気ない返事が返ってくると、「嫌われたんじゃないか」「何か気に触ることでもしたんじゃないか」と思って不安で仕方がなくなってしまったり。加えて、相手がそんなつもりで言ったわけではない何気ない言葉にも傷つきやすくなってしまったり。
相手との信頼関係性が確立できていない状態で自分のことを「ゆかちゃんって◯◯だよね」と断定されると、悲しさと怒りが湧いてしまうことも、傾向として捉えています。(信頼関係が築けている状態でのそれには、素直に耳を傾けられる)
加えて、「傷つけられた」と思うと、わたしの思考は1か100か。白か黒か。グレーがないので、「もうこの人と関わらない!」と思って相手を完全にシャットアウトしてしまいます。
相手を嫌ったりしているわけでは決してないのです。相手を拒否することで自分を守っている、わたしなりの防衛反応ということです。けれど、「相手のことが嫌いではない」だからこそ、そんなふうにしか自分を守れない自分がまた嫌になる・・。そんな負のループ。
また、相手にはそんなことはわかるはずもないので、これまでも自分から関係性をプッツリと断絶してしまい、二度と関係性を修復できなくなった人もちらほら。
大切にしたい人との関係性を壊したいわけではないのに、自分から「破壊」してしまう。
自分に絶望することは、何度もなんどもありました。
自分の気持ちをどう相手に伝えるか
「断絶する」の前に、自分の気持ちを相手に伝えられたら。と、ずっと思ってきました。なぜ、自分の気持ちを相手に伝えるのが難しいのか。私の場合、それは、幼少期の頃の経験が大きいのではと考えています。
幼少期の頃の「自分が傷ついた時」を思い返すと、浮かんでくる姿は「傷ついた」という感覚が「怒り」になり、「大声で泣く」「大声で喚く」「物に当たる」という方法でしか表現できなかったのが、自分の姿です。
自分の身が危険だと感じる時、そうやって表現して自分を守っていました。
このように、自分が傷ついた時や怒りが湧いた時に、「感情を露わにする」「物に当たる」という攻撃的な表現方法が私にとっては「当たり前のコミュニケーション」でした。そうすれば、周りは優しくしてくれたし、自分に注目してくれたから。
「なんで物に当たるの」「なんでそうゆう風にしか表現できないの」「なんでそうゆう考え方になるの」
と言われても、わたしもそんなコミュニケーションしか取ってこなかったから、他のコミュニケーションの仕方がわからなかった。
多くの場合においてきっとそうであるように、年齢を重ねるごとに、落ち着いて対話できるようになってきました。けれど、やっぱり自分が傷ついた時や、怒りが湧いてきた時に、衝動的な行動を取ってしまいます。
「鬼さん」が出てくるのはこんなときで、鬼さんが、普段は当たり前にできることをできなくさせてしまうのです。
なぜジブン研究をはじめたか
4年前に、社会人になりました。そんなタイミングで「ひとり暮らしをすれば、少しは ”鬼さん” も小さくなってくれるかもしれない」と、ひとり暮らしを始めました。
ですが、「鬼さん」はむしろむくむくと膨れ上がっていきました。元気だったのに途端に感情がジェットコースターの様に変動してしまい、仕事場についた途端、涙が止まらず、仕事ができなくなり家に帰るの繰り返し。気づいたときには、仕事を休職する以外の選択肢はなくなっていました。
「鬼さん」とどうやって向き合っていけばいいのか。
こればかり考えて毎日を過ごしました。
日記を書いたり、私のダメなところに関連するであろう本を読んだり。このときの苦しさはまだ思い出すのも少し心がチクチクするのですが、このときの知識の積み重ねと、技術の試行錯誤は、今の私にとって大切な時間になりました。
そんな中で、ひとつの大きなきっかけになった出来事があります。それは、北海道浦河町にある「べてるの家」を訪ねる機会に恵まれたこと。
べてるの家とは、北海道・浦河町にある精神障害を経験した当事者を中心とする「ともにいきる」コミュニティです。
この記事にたどり着いてくださった皆さんは、ご存知の方も多いかもしれません。
べてるの家に見学に行き当事者研究を学んだりして、自分なりに「鬼さん」との向き合い方を研究しました。
最初は全然うまくいかなくて、失敗しては落ち込んでを繰り返していました、けれど、少しずつ少しずつ、自分の感情を理解していく感覚がありました。理解が深まると、爆発や急激に落ち込む前に感情を扱えるようになっていきました。
もちろん1人でできるようになった訳ではありません。友人やパートナーの協力が本当に大きく、爆発しても、できなくても、決して見捨てることなくずっとわたしと向き合って、コミュニケーションをわたしが安心できるように何度も何度も変えてくれました。
そんなプロセスのなかで、確信したことがあります。
ひとりだと苦しいけど、少しでも自分を理解してくれる誰かがそばにいてくれたら、生きていくのが楽になる。
でも、本当にしんどいとき、人は人に助けてとは言えない。
だったら、相手のしんどさを適切に理解できるように、わたしもなりたい。
そして、まずは私から言えるようになろう、言ってもいいんだという環境を作ろう。そんな想いではじめた挑戦が「ジブン研究」です。
ジブン研究とは
ジブン研究とは、『自分にしかない強みと、魅力を発見する』というコンセプトの対話型プログラムです。
ジブン研究では、3人1組になって対話をするのですが、ペアは自分の知らない初めましての人をできるだけ組むように設定しています。あえて初めましての人を組む理由は、「他者からどう自分が見えているのか」をより認識するため。それは、「◯◯さんってこうゆうところがあるよね」と既についている他者からのイメージがあり、自分の新しい一面や知らない一面に気付きにくいから。そんな先入観があると「他者のイメージの枠」から超えることが難しくなります。
そして、自分が困っていること、悩んでいること、深めたいことなどテーマは自身で持ってきて、そのテーマを元に3人で質問やフィードバックを交えながら、深めていきます。
「こんな自分、とても嫌い。」「私が私でなかったらいいのに。」と何度もこんな言葉を自分に投げかけていました。
ですが、同時にそんなわたしを側でみてくれるひとからの「ゆからしいね」「そんなゆかもゆかだよね」「人間完璧じゃないもん、できない時だってあるよね」という言葉。そんな言葉に救われてきました。
そんな人との信頼関係の積み重ねの中で、「自分のこの生きづらさは、わたしの強みなんだ」と少し思えるようになりました。もちろん、そう思えない日だってまだまだあるけれど。
そんな自分の経験から、ジブン研究を通して「誰もが自分にしかない強みと、魅力を発見する」ことのできるコミュニティを広げていきたい、と思っています。
▼ジブン研究HPはこちら▼
https://jibunkenkyu.com/
noteを開設した理由
ジブン研究はとても良いコミュニティに育ってきています。現在、累計の参加者は約90人。(2021年5月現在)
ジブン研究が、一人ひとりの人間性にたつ比較的クローズドなコミュニティであるとすれば、「日常生活で感じる他人や自分との関係性への違和感や疑問を、もっとオープンに語り合える場とつながりが必要なのではないか?」との想いを持ちました。
そんな背景から、新たな挑戦をはじめます。
毎月、テーマごとに当事者でもあるゲストを1名お呼びし、対談形式でトークイベントを実施する「Original Life Talk」を開催することにしました。
Original Life Talkでは、毎回ゲストの方へインタビューを実施し、そのインタビュー記事をnoteにまとめていきます。それぞれの人にしかない人生を、読むことで気づくことや自身が助けられることもきっとあるはず。
少しずつですが、新たな取り組みを進めていけたらと思っています。
このジブン研究のnoteは、まずはOriginal Life Talkに関する情報発信の場として活用していきたいと思っています。そして、ジブン研究に関わってくれる人のなかから「今度は、私がジブン研究の場をつくる側にたちたい」と言ってくれる仲間が少しずつできてきています。
そんな仲間は、いつも感受性をフルに使い、じぶん以外への共感性も高いメンバーばかり。
彼(彼女)たちの力を借りつつ、このnoteも、育てていければいいな。そんなふうに感じています。
少しでも興味がある方、話を聞いてみたい方はお気軽に連絡ください◎
問い合わせ:jibunkenkyu@gmail.com
長々と読んでいただき、ありがとうございました◎
※イラスト 関野菜子(せきのななこ)
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