読書感想文:「生欲」/朝井リョウ ①
※ネタばれありなので、まだ読んでない方はご注意ください。
https://www.shinchosha.co.jp/seiyoku/
以下本書紹介文(HPより引用)
生き延びるために、手を組みませんか。
いびつで孤独な魂が、奇跡のように巡り遭う――。
あってはならない感情なんて、この世にない。それはつまり、いてはいけない人間なんて、この世にいないということだ――共感を呼ぶ傑作か? 目を背けたくなる問題作か? 絶望から始まる痛快。あなたの想像力の外側を行く、作家生活10周年記念、気迫の書下ろし長篇小説。
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読んだ直後の感想は、
「自分の想像力の限界を感じた」
これに尽きる。
近年そこかしこで語られる「多様性」。
オリンピックのテーマにもなっていたのが記憶に新しい。
だが、そこで語られている「多様性」は、
人種・LGBTQなど存在が想像できる範囲に限られる。
想像を超えた存在も含めた、
「承認」・「許容」までの道のりは、
それこそ想像できないほど果てしないと感じた。
本書では、性欲の対象が、
人間ではなく「水が飛沫をあげる姿」という人たちが登場する。
想像できるだろうか?
「水が飛沫をあげる姿」をみて欲情する人を。
いま世の中で「性的マイノリティ」と呼ばれているのは、
自分も属しているLGBTQだ。
それに属している人同士ですら、
お互いの存在を認めることはできるけれど、
理解は及ばないだろう。
自分は「B」(バイセクシャル)だが、
TやQの心境は正直想像できない。
そんな程度なので、
人(生物)以外に恋する気持ちも想像しがたい。
愛着が沸いた、とかそんなものではないだろう。
昔、何かのテレビで、「対物恋愛症」の特集があったが、
その中に、エッフェル塔(だったかな?)に恋している人がいたのを思い出した。
当時まだ自分のセクシャリティもわかっていなかった自分は、
やらせかな?ぐらいの感覚で観ていた気がする。
だがきっとアレは事実だ。
本人はどれほど苦しいだろう。
テレビで告白できるほどに
解放できている人はまだ良いかもしれない。
世間で語られる「性的マイノリティ」に属さず、
誰にも言えず、話題にされず、議論もされず、
そんな中で、抗えない本能としての「性欲」と付き合っていくのは
本当に難しいことだろうと思う。
続きは次回。
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