マガジンのカバー画像

JPT役員の頭の中

43
社長の阿渡、CTOの長尾の記事です。 障害者雇用の変革にかける想い、経営において感じること、日常のふとした気付きなどを更新します。 JPT役員陣の頭の中を覗いて行ってください。…
運営しているクリエイター

2021年9月の記事一覧

退職金という誰も幸せにしない制度

退職金があって嬉しい!という人はいても、あって悔しい!という人は今まで見たことがありません。 でも、退職金ってそんなにいいもんじゃないよ、ってことを伝えたくなりました。 本エントリでは、退職金の正体に迫ります。 退職金の正体 退職金を一言で表すと、対価支払いの留保です。 留保とは、本来履行すべきことを一時差し控えて手元に留めておくこと、です。 このことに気づいていない人が余りにも多いと感じたため、本エントリを書くに至りました。 ビジネスの世界では、支払いの留保をさ

育児介護休業法における国家的転職者差別条項について

入社1年未満の人は育児休業も介護休業も取れないようにしてもいいよ。と国が言ってるんです。 どういうことか?会社の就業規則を決めるにあたり、親会社の規程を穴が開くほど見つめていたときに発見したのですが、 なんと、勤続1年未満の人は育児休業と介護休業を取得できない、という文言が入っていました。 この会社の代表を務める直前まで中途採用の担当者だった私。 こんな条件になっていたとはつゆも知りませんでした。 人材の流動性が高まっているこの時代に、女性だけではなく男性も積極的に

意思決定は、早く、遠く、が大原則

会社の方針は、可能な限り早く、可能な限り長期間のものでなければならない。 意思決定の際に意識すべきは、その判断の成否よりもまず、早さと長さだというお話。自戒も込めて。 判断の成否はそれ単体では決まらない経営者の仕事は言わずもがな決断すること、ですが、立場が上がれば上がるほど、その影響力は大きく、扱う項目は難解になっていきます。 特に、コロナ以降に在宅勤務(リモートワーク)をどの程度認めるかどうか、という問題。下記のような選択肢の中から自社に合うスタイルを決定する必要があ

精神障害者にとっての義手・義足ってどんなものか、パラリンピアンを見てふと考えた。

答えはまだ出ていないのですが、これを探していくことには意義があるような気がしています。 身体障害者にとっての義足や義手は、精神障害者にとっての何なんだろう、と、ふと考えたという話。あんまり思いつかないな、と。 きっかけはブレードジャンパーつい先日、東京パラリンピックが多くの感動と快挙を残して閉会しました。 個人的に注目していた競技はいろいろあったんですが、特に記録に対して興味を持っていたのは、男子走り幅跳び。 ドイツ代表の「ブレードジャンパー」こと、マルクス・レーム選

”一社で長く働く”ことはそんなに偉いのか

就業規則をつくるために本社のものや厚労省が出しているひな形などを眺めてみると、勤続年数に応じてだんだん条件が良くなる系の制度がたくさんあり、よくよく考えてみると変だよな、と思ったので考えを整理してみます。 まず、どんな制度がそれにあたるのかあげてみると、、・年次休暇 ・勤続XX年の節目で取れる長期休暇 ・休職時の給与補償(補償期間が勤めた期間に比例) ・退職金(早くやめたらXX割カット) ・在宅勤務(X年目以降から取得可) ・社費留学(X年目以降から取得可) などなど、結

用途や対象が限定された休暇なんて、いらない。

企業に勤めている方にとって、休暇ってとても大事ですよね。でも、年次有給休暇(以下年休)以外に用途や対象者を限定した休暇がたくさんあって、これって誰が得なのか、損なのかがよくわからない状態になっているんじゃないでしょうか。 ということで、今回は休暇制度について考えていきたいと思います。 現在の休暇制度 先日のエントリで、「勤続年数にインセンティブを与えるような人事制度は、今の時代にそぐわない」と主張しましたが、休暇制度もまさにそのとおりになっていると思います。 だって、厚

多様性をアピールする会社が、新たな特権を作り続ける矛盾。

今回は、うちは多様性のある会社ですよー!とアピールするためにやっていることは、大半が真逆のことになってしまっていることに気がついた、というエントリ。 どういうことか?最近、多様性とか包括性とか、ダイバーシティ&インクルージョンという言葉をよく耳にすると思いますが、なんのこっちゃ?という人もいると思います。 これを一言で説明すると、、多分無理で、逆に一言で説明しようとするとかえってミスリードしてしまうような、かなーり難解な概念のような気がします。 だからこそ、いろんなとこ