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佐倉市サムライRPG~地方創生アプリが生まれるまで~

 こんにちは、ゲーミフィケーション賢者Lv98の”きっしー”です。
2020年末、日本ゲーミフィケーション協会が主催した「勝手にゲーミフィケーション大賞~2020」を受賞しました下記のサービスがあります。
https://www.jgamifa.jp/award2020

サービス名:佐倉市サムライRPG 「天倫の桜」(株式会社equo、佐倉市)

URL: 天倫の桜 | 佐倉市サムライRPG
https://tenrin-sakura.jp/

【概要】
地方創生RPG(ロールプレイングゲーム)。スマホゲームを通じて佐倉市への関心を高めてもらう、市の公式サムライPRG。2020年リリース。

【受賞理由】
ゆるキャラに替わって、ゲームアプリを地域の魅力発信の場とすることが注目されてきました。観光誘致に加え、地元市民の郷土愛を高めます。GPS通信でリアルなお店や観光地と連動することで、ビジネス化も考えられます。

 今回は、この地方創生アプリに協力された佐倉市と制作された株式会社equoにその誕生の秘密をお聞きしましたので紹介します。

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 まずは、佐倉市の窓口である向後 貴大さん(佐倉市 産業振興部 産業振興課 観光班)にオンラインでお話を聞きました。

Q1. どういう経緯で、このサービスを制作したのですか?

⇒(向後さん回答) 株式会社equoという地元のベンチャー企業から地域のために何かしたいというお話を頂き、スマホで楽しめる地方創生RPGのご提案を頂いたのがきっかけです。
若い人の観点での地方創生RPGというのに興味を持ちました。市は企画やPRに協力しており、制作時には、市の文化課から歴史資料などを提供しました。

Q2.ゲームアプリにした理由は?

⇒ 佐倉市はとても歴史があるまちです。佐倉の歴史と言う観光コンテンツを求めて実際に来られる方はご高齢の方が多いのが現実です。
equoさんと話し合い、今回はそれ以外の若い方に佐倉の歴史を知って頂き、好きになってもらうためにゲームを選択しました。
また、全国的には2つ、3つ取組があったのですが、県内では初めてであり、PR効果もあると考えました。
市では以前、市の一部がアニメの舞台になっていると言われている「弱虫ペダル」やモンキーパンチさんとの関わりで「ルパン三世」のキャラクターを活用させて頂いたこともあります。

Q3. 制作で工夫したことは?

⇒ ゲームをやりながら佐倉のことを知ってもらうことはもちろん、実際に来ていただいて楽しんで頂くという点について工夫しました。
GPSと連携していて、観光スポットを回ると限定アイテムが手に入ったり、市内の一部の飲食店等に画面を提示すると缶バッジ等がもらえたりします。
また、ゲーム内の神社や武家屋敷の再現度のクオリティが高いので、実際に来て見比べていただくという楽しみ方もできます。

Q4. このサービスの評判はいかがでしょうか?

⇒ ゲーム好きからの評判は良いです。ダウンロードは3万を超えていると聞いています。
ただし、コロナ渦の関係もあり、実際に来ていただくという部分については伸び悩んでいる印象があります。イベント毎にブースや、チェックポイントにパネルを設置した際は、一緒に写真撮影をする姿を目にしていますので皆さんに楽しんで頂けていると思います。

Q5. 今後予定しているゲーミフィケーション要素の入った展開はありますか?

⇒ equoさんと連携し、グッズの制作や市内企業とのコラボ商品の開発、イベントへの出展、コスプレイベントやスタンプラリーの開催等を考えています。
また、equoさんが主体となって、LINEスタンプや、キャラクターがラッピングされた痛車を予定しています。一過性でなく継続して展開していきたいと考えています。

Q7.これからゲームを遊ばれる方にメッセージをお願いします。

⇒ 私自身もプレイしてみて、最後はハッピーエンドで終わる王道のお話がいいなと思いました。「武士の信念」というメッセージ性が伝わればいいと思っています。また、ゲームとリアルが連動していますので、1000年の歴史がある麻賀多(まかた)神社や武家屋敷の映像も楽しんでください。市で進めているY.M.O.プロジェクト(Yはやまといも、Mはみそ、Oはおちゃ)は、アプリ内で17店舗紹介していますので、コロナ渦が収まりましたら、遊びに来てください。

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 続いて、サムライRPGを制作された、林 将平さん(株式会社equo社長)にもメールで回答頂きました。

Q1. 開発のきっかけは?

⇒(林さん回答)地方創生への取り組みの一環として、制作を決意しました。またスマホゲームを用いた理由としては、スマホゲームにする事により、幅広い世代に渡り親しんでもらう事ができるからです。

Q2. 開発で苦労されたことは?

⇒ 最も労力を要したのは、ストーリー制作になると思います。
今回の物語で2つの基軸とするのが「サムライ」と「龍神伝説」とすることは最初期から決まっていました。しかし、江戸時代と奈良時代というように、それぞれの時代が大きく異なっていたために、物語を繋げるのが難しかったです。

また、堀田家や武居家の子孫の方がご健在であったり、立身流や麻賀多神社など多くの現存文化や史跡を物語に組み込んだりするための、関係各位の皆様への事前相談や許諾申請はとても大変でしたが、役所の方々も積極的に動いてくださいました。

Q3. 開発で工夫したことは?

⇒ 工夫した点としては、佐倉ゆかりの要素を盛り込んだシナリオや、地元にある名所とのGPS連携機能を取り入れる事です。そのため、市外の皆様も勿論ですが、特に市内の皆様に楽しんで頂ける仕様になったと思います。

また、キャラの名前もこだわりを含め、設定しました。
・新佐は『「新」しい「佐」倉のコンテンツ』となるように。
・安弥(あびむな)は「INBANUMA」のアナグラム。
・雫は、印旛沼が一滴一滴の雫が集まっているように、佐倉市の歴史を積み重ねてきた名もなき人々の象徴として。
・井野は井野地区の辻斬りから。
・トーカは稲荷社の別名古語である「燈火」から。
などです。

Q4.このサービスの評判はいかがですか?

⇒ 以前、佐倉市でフェスが開催され、天倫の桜としてブースを設置させて頂いたことがあります。フェスでは老若男女、幅広い世代の方々からご好評の声を頂きました。
・地元の観光スポットを知る良いツールだった
・ストーリーに感動させられた
など、嬉しいお声を多数頂きました。

一方で、コロナ禍により街を散策しGPSを連動させる事はあまり出来なかったとのお声も頂きました。

また、ゲームの反響により、BayFMさんから地方創生RPGゲームに関してのラジオ出演、とある大学から観光周遊支援ゲームに関してのオンライン講義の依頼を頂いた事もありました。

Q5. 今後の展開は?

⇒ 向後さんのお話の通り、痛車やスタンプ販売などがあります。
痛車は、今後の佐倉での様々なイベント会場で展示させて頂こうと考えております。

また、SNS、イベント会場で頂いたユーザーの皆様の意見として、
・第二弾の制作
・アニメ化
・グッズの多様化

この3つの意見が特に多かったので、今後の天倫の桜の伸び次第で、展開を検討していく所存です。


以上、向後さん、林さんご協力ありがとうございました。

 受賞理由にも上げさせて頂いたように、若い人たちに刺さる地域おこし具体策として、ゲームアプリに注目しています。観光誘致に加え、地元市民の郷土愛を高めます。GPS通信でリアルなお店や観光地と連動することで、ビジネス化も考えられます。こんなゲーミフィケーション活用がもっともっと広がる様に、佐倉市の事例をご紹介しました。

(おわり)

余談:私は以前、居合の立身流(たつみりゅう)を習っていたのですが、なんとゲーム内で立身流が登場してビックリしました。佐倉藩の流派だったのです。コロナ渦が収まりましたら、ゲーム内に登場した場所を見つけに、佐倉市を訪問したいと思います。


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