日本デジタルゲーム学会で「ゲーミフィケーションリテラシー」を発表
こんにちは。「リアル世界を神ゲーに」するゲーミフィケーション・デザイナーのきっしーです。
2/24(土)大阪樟蔭女子大学で開催された、日本デジタルゲーム学会年次大会で、「ゲームリテラシー、ゲーム開発リテラシー、ゲーミフィケーションリテラシーを学ぶワークショップの実践報告」を発表しました。
https://digrajapan.org/?page_id=9637
その中でも、新たに、
「ゲーミフィケーションリテラシー(Gamification Literacy)」
=ゲーミフィケーションを取り入れたサービスとうまく付き合う能力
を定義し、それを学ぶ実践を紹介しました。目新しい用語だと思います。
その前段階として紹介したのが、
「ゲームリテラシー(Game Literacy)」=ゲームとうまく付き合う能力
と定義し、これを親子で学ぶ講座を紹介しました。大事なことはゲームは付き合い方により善にも悪にもなりえる。なので、ゲームについて学ぶ必要がある ということです。
そして、ゲームだけではなく、身近なゲーミフィケーションを活用したサービス・商品にも関して、「うまく付き合う能力」を身に付けないと、SNSやネット依存であったり、無駄なネットでの買い物の助長につながると伝えました。
学習事例として、日本ゲーミフィケーション協会会員勉強会(2021年6月)での、「社会人向けのゲーミフィケーションリテラシーの勉強会」を紹介した。
以下の様な話です。
「悪のゲーミフィケーション」の事例2つ
事例1.SNS・ネット依存
問題:
ソーシャルネットワーキングサービスや、インターネットへの依存により、心身の不調や仕事・学校生活への悪影響が出ている。
SNSに使われているゲーミフィケーションデザイン要素:
(4)即時フィードバック&ソーシャル要素 すぐに反応がある、応援者がいる、新しいニュースが届く
(3)称賛を演出 いいね!やコメントでほめられる
(5)成長の可視化 フォロワー数がだんだん増える
「スマホ脳」にも書かれているように、SNSやインタネットは人を夢中にさせるように作られている。利用者が節制して使う分には、「良いもの」であるが、むやみにハマると「悪いもの」になる。
作り手がデザインしたこの仕掛けを知ることが大事で、大人でもハマってしまうものなので、防御力の弱い子供にとっては、やめられなくなるもの。
事例2.ネットでの買い物の助長(お買い物マラソン、レビュアー番付、プライムデーなど)
問題:
本来必要ないモノを、ゲーミフィケーションの仕掛けで衝動買いしてしまう。家計を圧迫。必要ないモノはすぐに飽きられゴミとなり、資源を浪費。
eコマースに使われているゲーミフィケーションデザイン要素:
(1)能動的な参加 欲しいものがいっぱい並んでいる、今買うとお得
(3)称賛を演出 ランキングシステム
(4)即時フィードバック&ソーシャル要素 すぐに購入できる、商品が翌日届く、リコマンド
現在のeコマースではゲーミフィケーションが入っていないものを見つける方が難しいほど。ゲーミフィケーションを盛り込んだeコマースの仕掛けに気づいて、付き合っていく必要がある。
後半は、参加者による下記テーマでのディスカッションを行った。
・「どうすれば予防できるか?」
・「ゲーミフィケーションの自主規制はすべき?できる?」
ゲーミフィケーション取り入れたサービスは、利用者をワクワク楽しく行動変容させることができる。しかし、逆に利用者の欲望を刺激しハメることもできる。利用者(含む子ども)はどう対照すべきか?
参加者からの事後感想:
(抜粋)
・ゲーミフィケーションの悪用という視点とそれから自分の子供や家族を守っていくという発想は,まさに今求められている視点だと思いました。
利益が大きいものは別の視点からみると悪用する幅も大きいと思うので、自分や家族を守るという視点からもゲーミフィケーションを学ぶ意義を感じました
・逆ゲーミフィケーションはすでに日々の生活に密かに仕込まれているので気づいた時に書き出していこうと思います
・ゲーミフィケーションの負の面。依存症にならない為に、常習化させないのが大事、常習化させないと言う意識は足りてなかったので私自身の依存症予防としても気にしてみたいと思います
参考記事:
ゲームと関係ない会社のゲーミフィケーション&ゲーミフィケーションの悪用 ~会員勉強会6月の開催報告
https://note.com/jgamifa/n/n8b490d529a94
発表では、ゲームと同様、ゲーミフィケーションも善と悪の部分を持ち、且つゲーミフィケーションはハマるように作られていることを、一般の方に伝えていくことが大事と伝えました。ゲーミフィケーションを取り入れたサービスや商品が増えれば増えるほど、大人や子どもなど、ゲーミフィケーションを活用したサービスの利用者が、ゲーミフィケーションを良く知ってより良い関係を築けるようになるべきである。
そのために、我々日本ゲーミフィケーション協会は、ゲーミフィケーションの教育と研究を引き続きおこなって行きます。
(おわり)
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