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オンラインイベントのゲーミフィケーション~SOROFES 2020

こんにちは。
ゲーミフィケーションデザイン賢者Lv98の”きっしー”です。

iPadを使ったそろばん式暗算方「そろタッチ」を展開している、本協会会員企業Digika様よりオンライン暗算大会「SOROFES 2020」の開催速報が届きました。

7月23日(祝)、国内外からそろタッチ学習者、総勢400名・40チームの「そろタッチキッズ」が大集合、オンライン暗算大会が開催されました。午前中は「個人戦」。教室生とネット生が一緒になってレベル別に6つのブロックで暗算対決。
午後は教室生による教室対抗「団体戦」。3部問に分かれて予選を勝ち上がってきた強豪チームが勢揃い!「準決勝」そして「決勝」。
入賞者のアプリにはその場で金銀メダル授与!参加賞も届きました♪
大会の様子はYoutubeライブで配信!世界中の子供たちの暗算結果をご覧ください。
https://www.sorotouch.jp/info/sorofes2020.php

子供たちを楽しませながら積極的に参加させる仕掛け

早速動画で大会の様子を拝見しましたが、このオンラインイベントでは様々なゲーミフィケーションを用いて、子供たちを楽しませながら積極的に参加させる仕掛けを入れています。
今節のコロナ禍でイベントのみならず、オンライン講座・授業での参加者のモチベーションアップに苦慮されている皆様にも参考になる事例として紹介させて頂きます。

デジタルとアナログ、ハイブリッドなゲーミフィケーション

「そろタッチ」が素晴らしいのは、アプリ側のゲーミフィケーションと教室でのファシリテーターによる対面のゲーミフィケーションを組みわせていること。このイベントでも同様のハイブリッドなゲーミフィケーションが見られます。
ゲーミフィケーションが注目されている理由の一つが、デジタルで簡単にモチベーションアップを組み込めることなのですが、デジタルだけで終わるよりアナログと組み合わせることによりゲーミフィケーションは最大限の力を発揮します。学習においては、子供達はデジタルの画面内褒められるより、リアルな先生や保護者に褒められる方が何倍もやる気が出るのです。

イベントの午前中の「個人戦」を見て行きます。それぞれの個人戦はレベル別に分かれているので参加者は入賞するチャンスがあります。一回当たり50名、計300名が参加。一回の開催時間は20分程度。そろタッチで問題を解く時間は、競争1分×3種目 +勝ち抜け戦2分の、合計最大5分程度と子供でも集中できる時間に限定されています。

ファシリテーターの用いているアナログなゲーミフィケーション

そろタッチ自体に様々なゲーミフィケーションが盛り込まれているのですが、ここでは大会を盛り上げ、子供たちにやる気アップしてもらう対面のゲーミフィケーションに注目して、ゲーミフィケーション6要素《能動的参加》《達成可能な目標設定》《称賛の演出》《即時フィードバック》《成長の可視化》《独自性の歓迎》で分析して行きます。

【ファシリテーターの用いているアナログなゲーミフィケーション】

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画面:子供たちが手で丸を作ってリアクション

《能動的な参加》
オンラインで、同じ部屋にいないので、より子供たちにリアクションさせる(インタラクティブ)ことが大事
(発見例)
・ファシリテーターの大きなアクション
・対戦前、ファシリテーター「まず深呼吸しましょう」。子供たち深呼吸
・対戦前、ファシリテーター「『えいえいおう』と大きな声で気合を入れましょう」。子供たち拳を突き上げながら大声で「えいえいおう」(ミュートOFF)
・対戦前、チャーター「ここまでできた人?」。子供たち手で丸を作る
・終了後、「楽しかった人は手を上げて」。子供たち手を上げる
・終了後、「参加賞(デジタル)が届いた人は画面を見せて」。子供たち自分のタブレット画面をZOOM上で見せる
・終了後、「最後に、みんなで他のお友達に『ありがとうございました』を言いましょう」。子供たち「ありがとうございました」(ミュートOFF)
など

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画面:ゴールまではそろタッチ操作1分間

《達成可能な目標設定》
・レベル別で分かれているので、誰でもメダルを取れる可能性がある
・集中できる時間内。全体で20分。そろタッチを操作する時間は競争1分×3回戦、勝残り戦2分のMAX5分。途中経過《成長の可視化》や結果が共有画面に表示されるのは《即時フィードバック》

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画面:ファシリテーターは順位発表を盛り上げながらやる

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画面:メダル受賞者にインタビュー

《称賛の演出》
・銅メダル、銀メダル、金メダル(デジタル)を盛り上げながら発表
・メダル受賞者にインタビュー。「よくがんばったね」「気持ちを聞かせてください」「いっぱい練習した?」。子供の様々な回答が「独自性の尊重」になっている。
・先生が結果発表の前に「ジャン、ジャン、ジャン、ジャーーン」と声で盛り上げ
・結果と関係なしに、アクアパークで運要素で手に入るビッグミール

他に、
《能動的な参加》勝ち残り戦で負けてしまっても応援団参加、結果入力もできる

ポイントは、参加者のリアクションを促す流れ

まとめます!
オンラインイベントでのゲーミフィケーションのポイント6つ。

《能動的な参加》参加者のリアクションを促す流れ。
《達成可能な目標設定》レベル差、集中できる時間に配慮した仕掛け。
《称賛の演出》がんばった人に拍手、メダル獲得者に特別に発言のチャンスを与える。
《即時フィードバック》ファシリテーターの褒めことば、声掛け
《成長の可視化》メダル獲得
《独自性の歓迎》いろんなリアクション、メダル獲得者発言時のコメント

興味があれば、イベント動画を見て確認してみてください。皆さんのイベントや講座や授業に活かせるものもあると思います。

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(写真) 希望者は、特製Tシャツを着て参加するという仕掛けも楽しいですね。Tシャツは販売しています。

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(写真)アクアパーク。運要素で一人だけビッグミールがもらえる


加えて、【そろタッチのデジタルなゲーミフィケーション】も分析します。

《能動的な参加》かわいいキャラ、かーるくん。ゲームみたいな画面演出。おたのしみアクアパーク
《達成可能な目標設定》1ゲーム1分、レベルに合わせた問題
《称賛の演出》メダル、先生から10ミールプレゼント
《即時フィードバック》デジタルなのですぐに結果が分かる、リアルタイムで映像を共有
《成長の可視化》クラスが上がっていく
《独自性の歓迎》いろんなボディアクション、表情

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(画面)《即時フィードバック》すぐに結果が分かる

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(画面)《称賛の演出》参加賞獲得


イベント主催者の橋本 恭伸さん(株式会社Digika社長)への質問と回答です。

質問1:イベント後の子供たちの感想は?
・いつもよりも日々の学習のやる気が出た
・計算が早いお友達がたくさんいることを感じモチベーションがあがった
・お友達の姿を見つけて、やる気が出た
・悔しくて仕方なかったので、その後ミッション増やして頑張っている
・リベンジしたい、次の大会はいつやるの?

質問2:子供たちのモチベーションアップに、ファシリテーターが普段意識していたことは何ですか?
・進度ではなく頑張り、毎日取り組んだクリア数(学習量)を褒める
・授業は学習とは関係ないお楽しみゲームで楽しく終わる
・日々の生徒の学習履歴から、頑張った時、辛そうな時は連絡する(自動化されているものもあり)

質問3:前質問に追加。特に今回のオンラインイベントで、対面とは違って意識したところは?
・住んでいるところは外国?何県?天気は?など子供たちが遠隔を楽しめるようにした
・そろタッチの好きなゲームは?など同じアプリに取り組む仲間意識を持てるような質問をした
ミュート解除して話すことに加え、ジェスチャー(挙手や両手で丸)で子供に意思表示してもらった
・参加賞とメダルを現物ではなく、全参加者のアプリに届くよう開発した(大好評!)
・赤チーム青チーム、バーチャル背景やTシャツで、チーム感を高めた
・試合前にリハーサルや接続テスト、雑談など、緊張感を和らげ子供が一体感をもつようにした

質問4:次回のイベントの抱負を?
・個人戦も団体戦も参加者は事前にたくさん練習をして、当日も楽しみ、喜び、泣き、実力が大きく伸びた
・大会前後の学習履歴を分析し、子供の暗算力を飛躍的に伸ばす、効果を魅せる大会にしたい
・そろタッチがあれば、居住地、参加人数、言語、暗算レベル、年齢、コロナにかかわらず楽しめるので、世界中がつながり、子供も保護者も先生も夢中になって暗算力を披露し伸ばす大会にしたい

まとめです。
オンラインイベントを成功させるため、楽しく参加者のモチベーションアップを計るコツが分かったのでしょうか? デジタルとアナログのハイブリッドな仕掛け。参加者のリアクションを引き出す進行方、時間配分や称賛、綿密な下準備など。
最初からこんなに素晴らしくは出来なくていいので、まずは一つでもモチベーションアップを計る仕掛けを入れてみましょう。
また、そろタッチの次のイベントも楽しみにしています。
(おわり)

(関連記事)
ゲームみたいに楽しい授業、「そろタッチ教室」を見学 日本ゲーミフィケーション見聞録vol1
https://note.com/jgamifa/n/naad89eb98b77


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#そろタッチ #Digika #そろフェス
執筆: 岸本 好弘(日本ゲーミフィケーション協会 代表賢者Lv98)
https://jgamifa.jp/

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