ひとり学習継続×ゲーミフィケーション~Webサービス『Herazika』とは
こんにちは、ゲーミフィケーションデザイナーLv98の”きっしー”です。
9日間続けて、朝8時にパソコン前に座って仕事しています。自宅で仕事する宿命で、それまでは結構、朝2度寝したり、録画したテレビを見ていたりダラダラしていた私が、なぜ朝から仕事するようになったかというと、これです!
やる気に頼らない!?<新感覚>ひとり学習ラクラク習慣化Webサービス『Herazika』提供開始
https://ascii.jp/elem/000/004/045/4045310/
(実際の学習中画面)
こんな画面で、最大4人の他の参加者と、カメラ画面を共有しながら、25分間勉強(仕事)します。他の参加者は、みため高校生ぐらい。ライオンマスクは顔が分からないようにです。
いいなと思うのは、始める前に、みんなそろっての軽い体操があること。眠気が覚めるし、他の学習者がやっているのが画面に映るので、一緒にやっている感がします。
画面から、スタッフが見ている、他の参加者も真面目にやっているのが見えるので、さぼらない。時間も25分と短い。《達成可能な目標設定》
※《》はゲーミフィケーション6要素で分析したものです。
25分やりきると、スタッフから拍手で褒められ、「明日も頑張りましょう」と言われる。そしてバイバイと手を振って終わり。私も含め参加者はそれに合わせて、自然に拍手、バイバイしているのが楽しい。《称賛の演出》
(ダッシュボード画面)
なんと現在、9日間続いています。《成長の可視化》《即時フィードバック》
なんで続いているのかと考えると、ちゃんとゲーミフィケーション6要素が入っているので、楽しく継続できている。
そこで、実際に開発者はゲーミフィケーションを意識して作っているのかが知りたくて、開発者のHerajika代表 森山大地(だいち)さんにオンラインインタビューしました。
あと、一日目にUIの不具合を報告したら、その日の夜に「修正したので明日試してみてください。」メールが来たのに、好感を持ちました。
Q1.開発のきっかけは?
森山さん回答⇒ 学生時代から自身のやる気や継続力のなさに悩んでおり、人間の意志の力に関する文献を読み漁り、また試行錯誤してきました。
その中で1番有効だったものが、やる気に頼らないこと。ただ、やる気に頼らない環境を1人で構築するには限界があるため、代わりにサービスとしてサポートできないかと考え始めました。100人近くにインタビューしていく中で、多くの人が三日坊主に対する悩みを切実なレベルで抱えていることに気づき、サービス化を決めました。
Q2.開発で苦労したことは?
⇒構想期間は9ヶ月、開発期間は半年です。Webサービスであるがゆえ各ブラウザの仕様に振り回されデバッグに時間がかかりました。結局リリースまでにiOS対応が間に合いませんでした。※今後対応予定です。
Q3.開発で工夫したことは?
⇒ユーザーの顔にフィルターをかけたこと。
化粧してから/寝癖を直してから机に向かう、という導線にしてしまうと億劫になってしまうので、少しでも着席へのハードルを下げました。
Q4.取り入れているゲーミフィケーションは?
⇒ゲーミフィケーションと呼べる代物かは分かりませんが、ユーザーのやる気を如何に使わせずに着席してもらうか、という点にこだわりました。結果、毎日の学習時間を固定、かつその時間ほかユーザーと一緒に学習という仕組みにしました。シンプルではありますが、心理学や脳科学を基にしています。
またそれでもサボりそうになった際のセーフティネットとして、継続すればするほど安くなり、サボれば高くなる月額"変"額制をとっています。
参考にした心理学や脳科学を、いくつか紹介します。
・毎日の学習時間を固定(自我消耗):「意志の力は何か決断する度に消費され、かつ量には限りがある」という心理学用語。つまり、勉強するかどうか、何時から勉強するか等考えることで疲れを招きます。(※自我消耗には反論論文も出ていますが、経験則よりこの提唱を信じています)
・ユーザーと一緒に学習(ミラーニューロン効果):他の個体が行動する様子を見ている際に活動する脳内の神経細胞で、まるで自身が同じ行動をとっているかのように”鏡”のような反応をすることから名付けられたもの。つまり、他者が集中している姿を見ることで、自身も集中できるようになる。
・25分1コマ(ポモドーロテクニック):25分の学習と5分の休憩を繰り返す集中法。脳科学の世界では人間の脳は疲れやすいということがわかってきました。なので脳が疲れ切る前に休憩をとるこのテクニックが結果的に長く集中できると注目されています。※また、変化を嫌う人間の脳の性質を考慮すると小さく始めることもまた習慣化のコツです(いきなり1時間2時間と張り切るより短い時間からはじめる)。
Q5.このサービスの評判は?
⇒ひとり学習がしたい中学校~大学生、社会人対象などが参加してくれています。1度でも出席した人は継続できています。ただ反面、1度の出席もせず無料期間が終了するユーザーも一定数いるため、最初のハードルをどう超えさせてあげるかが今後の課題です。まだ無料期間中ですが、1度以上参加した人で、4日連続欠席(チームを退出)しなかった人の割合は93%です。
Q6.今後の展開は?
⇒参加率でランキングをつけたり等ゲーミフィケーションをふんだんに取り入れていこうと考えています。
また毎日同じ時間×誰かと一緒、という仕組みは学習のみならず、一人で習慣化を目指し挫折することが常態化している分野にも有効だと考えています。例えば宅トレや瞑想、小顔体操などにも展開していく予定です。
Q7. 最後に決めセリフをお願いします!
⇒「コントロール不能なやる気なんぞ豚にでも食わせておけ」
その他、森山さんへのインタビューで面白かった話。
・サービス名のherajikaは、森山さんがヘラジカが好きだから。
以前アラスカで野生のヘラジカを見て、そのあまりの巨大さと、こちら人間のことなんぞ視界にすら入ってないような不敵さに神秘を感じたので好きになりました。
・参加者の意識の違い
大人:見られているので、さぼれない
子ども:僕の頑張っている所を、みてほしい。《独自性の歓迎》
・男女別では、女性が多い。時間帯は、私と同じ、朝が多い。
・お試し2週間で、データ収集中。
まとめです。
テレワークで自宅で仕事をするようになった会社員の方にも良いかもと。まだまだシンプルな機能だけの実装ですが、どんどんゲーミフィケーションが追加されていけば、様々な年齢層をワクワクさせるサービスになっていきそうな予感がしました。
(おわり)
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執筆:岸本 好弘(日本ゲーミフィケーション協会 代表賢者Lv98)
https://jgamifa.jp/
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