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ラーメン好きの機動隊隊長の奥さんはコスプレイヤー 私が生み出した人々6

 妻のマリーも親日家で、コスプレーヤー。フランソワよりも日本語が上手く、ネットで日本人コスプレイヤーのブログを読むことが好き。

 フランソワとの出会いは、パリで開催された日本のアニメとコスプレイベントの会場だった。彼女はガングロメイクの女子高生風コスプレをしていた。そこを通りかかったフランソワの驚きの顔を見た彼女は、彼をからかうべく、荒々しい日本語で言った。「なんだよ、あんた、(あたしの)生アシに、見とれてんのかよ!」。

 すると、彼がしどろもどろに「し、失礼、ごめん、ちがう」と日本語でつぶやいた。これを聞いて、彼女は大喜び、以下は省略。マリーは、私は「真理(という名前)なの」と言って、家族に、マリーではなく、マリ(真理)と呼んでと頼んでいる。フランソワは妻のことを、日本語の発音で「真理ちゃん」と呼んでいる。

 子供は小学生の長女フランソワーズと長男アントワーヌ。長男の名前は、フランソワが学んだ高校の恩師の名前を頂いた。彼らは、日本を、両親をトリコにした神秘の国だと思っていて、フランス語での会話にときおり、日本語の単語を混ぜて両親を喜ばす。好きな言葉は「マジ? うそダァー、大丈夫だあー」。彼らは志村けんの大ファンで、「大丈夫だあー」も、彼の物真似だった。だから、彼がコロナで亡くなったときは、大泣きして両親を心配させた。

 「フランソワ」は、フランス人男性の名前にありそうな名前から選んだ。
「シャルティエ」は、気軽に利用できるレストラン(ビストロ)。そして、ジュリアン・デュビビエ監督の名作「舞踏会の手帖」も参考にした。  「マリー」の名前は、主演女優のマリー・ベルから。「フランソワーズ」は、名優フランソワーズ・ロゼエから。そして、「アントワーヌ」の名前は、大河小説「チボー家の人々」の主人公から。「メシエ」という苗字は、フランスの天文学者から(銀河などに M76 などのMがついたナンバー表記を見かけることがあるが、それがメシエの考案によるメシエ番号)。

 メシエ先生の「法律を読むには、1日に2時間は数学を勉強して、論理的思考を身につけないと」というセリフは、私が少年時代に在籍していた学習塾の教師が、クラスで語った言葉を手直ししたもの。「法律をやるんだったら、1日に2時間は数学をやらないと」がオリジナル。当時の私はそれに驚いて、今に至るまで記憶している。

 「愛国者学園物語」には、今のところ、フランソワの家族を登場させるつもりがない。出番がないと私が考えているから。でも、こういう設定をこねくり回すのも面白いと思った。

続く 

大川光夫です。スキを押してくださった方々、フォロワーになってくれたみなさん、感謝します。もちろん、読んでくださる皆さんにも。