🎈小説「愛国者学園物語」by 大川光夫 この小説、249話で終わる予定です。

子供に日本人至上主義を叩き込み、祖国日本を愛する愛国者を育てる愛国者学園。 その生徒・…

🎈小説「愛国者学園物語」by 大川光夫 この小説、249話で終わる予定です。

子供に日本人至上主義を叩き込み、祖国日本を愛する愛国者を育てる愛国者学園。 その生徒・強矢悠里(すねや・ゆうり)が、学園の発展に大きく貢献する。 そして、ジャーナリストの三橋美鈴(みつはし・みすず)は学園に疑問を持つ。 2人はいつ対決するのか。決戦の時が迫る!

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  • 愛国者学園物語 第4部

    「愛国者学園物語」はこの第4部で終わる。 日本人至上主義を子供に叩き込み、反日勢力と戦うことを教える愛国者学園に「モンスター」が入学した。次第に成長する彼女と、物語の主人公である三橋美鈴(みつはし・みすず)の生き様とは。 写真はバンコクで私が撮影したもの。

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    私のエッセイをいくつかお見せします。 写真は、タイ・バンコクのチャオプラヤ川にて。私が撮影したもの。

最近の記事

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図書館の本を破壊しないで 切り取りなどの迷惑行為に反対

  図書館の本のページを切り取ったり、書き込みをするなど、本を破壊する人々が少なくない数、世の中にいる。そのような話は驚きではあるが、現実に起きていることだ。それも、日本各地の図書館で頻繁に起きているのである。各地の図書館のホームページを調べてみると、図書館の司書たちがそのような破壊行為に頭を悩ませていることがわかる。それは公共物の破壊、かつ、他の利用者のことを忘れた自己中心的な迷惑行為だが、どうして、そのようなことが数多く起こるのだろうか。  私が初めてそのような事例に

    • 愛国疲れ2 愛国者学園物語 第221話

      「愛国心だけがトップで体力は普通、学力はクズ」 これは愛国者学園への陰口である。愛学のような学校には愛国心はあるけど、成績が悪い連中の巣だ、とネット社会や実社会ではよく言われていた。悪口ではあるが、それは愛国者学園の真実を表してはいた。ここでは、日本の歴史や旧日本軍の勝ち戦さについて、延々と講義がある。それに、そういう歴史に関連した場所を訪問しては、偉大な先祖の足跡に思いを馳せて(はせて)万歳三唱をしては子供たちは涙を流す。体育の一環だと言って、モデルガンを使ったサバイバルゲ

      • 愛国疲れ1 愛国者学園物語 第220話

        「白人至上主義について学ぶつもりはないか?」 美鈴はジェフの言葉に驚いた。美鈴が混乱していると、ジェフはウニについて語る時のように穏やかな顔になり具体的に説明してくれた。それは彼らに関する関する本を読むとか映画を見ることであり、それらのリストもジェフから届いた。白人至上主義について知ることで、逆説的に、日本人至上主義について考えようという仕事であった。そして、学んだあとは、それをまとめてホライズンに投稿せよと言い、この会話において初めて美鈴は笑顔を見せた。 「アメリカンヒ

        • 漂えど沈まず 愛国者学園物語 第219話

           憧れの人である アルマ・ロドリゲスとのひと時は、マイケルを失った悲しみに暮れる美鈴にとって、気分転換になる時間であった。それまで面識がなかった二人であったが、マイケルの話題で話は弾み、アルマは宿泊しているホテルのレストランで、夕食をご馳走してくれた。  美鈴はお礼にというわけではないが、自分とアルマの本、それにマイケルとの関わりを話した。中学時代に街の古本屋の店頭で、偶然、アルマの本を見つけたこと。その本の帯に「私は悲惨な祖国の歴史から民主主義を学んだ」というアルの言葉

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        記事

          しょうけい館(戦傷病者史料館)に行って来た

          先日、私は東京・九段下にある博物館兼教育施設「しょうけい館」に行って来たので、ごく簡単であるが、ご紹介したい。 https://www.shokeikan.go.jp この施設は先の戦争などで負傷した戦傷者や、病を得た戦病者たちの闘病と、その後の社会生活について展示をしている博物館であり、別名は「戦傷病者史料館」という国立の施設である。「しょうけい」とは、受け継ぎ、語り継ぐを意味する「承継」のひらがな読みだそうだ。入場は無料である。 リニューアルオープンの式典

          さらば マイケル! 愛国者学園物語 第218話

           その日。美鈴は、夕方まで記事の編集会議に出ていた。  美鈴はホライズンでは中の下ぐらいのランクだが、それでもリーダーシップをとって、仲間たちをリードすることもあるのだ。その仕事をどうにか片付け、オフィスへ戻ろうとした時だった。嫌な足音がして、仕事終わりの解放的な気分は恐怖へと化学変化した。  東京支局の廊下は、なぜかハイヒールの足音がよく響く。そのせいで、誰かが急いで自分たちがいる 会議室に近づいてくる音が異様に大きく聞こえたのだ。  足音の主は姿を見せると、2秒ほ

          もっと辞書を 辞書を引こう

           私は先日、note上で、ある若者に辞書を引いて、語彙を増やすことを勧める文章「辞書を引こう」を書いて公開した。 https://note.com/jerusalemohkawa/n/nd0b6b2e2d925  それは自分が書いている小説より多く読まれ、多くの「いいね」を頂いたが、それを書いた私は人に偉そうなことを言えない、ただの中年男だ。そして英語の勉強を続けている人間でもある。そのせいか、自分以外の人がどんな英単語を使っているのか、とても気になるので、様々な人の英文

          膨張する強矢(すねや) 愛国者学園物語 第217話

            それからの数年の間、強矢悠里(すねや・ゆうり)の人生は絶好調だった。それは小学校高学年から中学2年生の頃であり、彼女は背が伸び外見も少し大人びた。  ファンクラブの会員が増え、彼女が中学に入学した時には会員が約50万人いた。そのような強矢にアイドルとしての価値があることを以前から知っていた、学園のプロデューサーたちは強矢に派手なイベントをやらせて、カネを稼いだ。  小学校6年生の夏には、靖国神社に近い日本武道館を借り切って、強矢だけのイベントを開催したので、学園生の

          過去最高のアクセスを記録

          私の小説を読んでいただきありがとうございます。 先日投稿した第214話「オラクル来る」 https://note.com/jerusalemohkawa/n/n0b6ab156c444 が、過去最高のアクセスを記録しました。普段の4倍以上あったことは驚きでした。それというのも、山門文治さん https://note.com/sazakitoyomu のマガジン『「今、このnoterが面白い」選考担当』に選んでいただいたからでしょう。そうでなければ、そんなに増えるわけがな

          「死の静寂」 愛国者学園物語 第216話

            強矢悠里は小学5年生になった。あの腹立たしいライオン事件も、愛国者としての忙しい活動のおかげで忘れることが出来ていた。今日は春休みを利用して、千葉県にある、父の友人の家に遊びに来た。強矢がわざわざ愛知県から上京した、そのわけ。それは、そこで行われる 秘密のハンティングに参加するためだった。  その広大な庭には、ウサギやニワトリが放し飼いにされていて、強矢はそれらをアーチェリーで狙うのだ。それは狩猟のルールに違反しているが、強矢は楽しんだ。なによりも、父親たちの許可が

          眠れない強矢 愛国者学園物語 第215話

           その記事「強矢さんのライオン狩りとその背景」は、ホライズンの読者からは好評をもって受け入れられたが、日本人至上主義者たちの激しい怒りを買った。美鈴たちがいるホライズン東京支局には、 「子供を批判するなんて、まともな大人のすることじゃない」 とか 「これは強矢さんの名誉毀損(めいよきそん)だ」 などという抗議がネットや郵便で無数に届いた。美鈴はその反応に呆れたが、 強い味方がいた。  それは、あのマイケルの腹心だった男が経営しているハイテク企業が開発した、セキュリティ

          オラクル来たる 愛国者学園物語 第214話

           人々がライオン狩りの興奮を忘れたころ、ホライズン東京支局に 「オラクル」が届き、いつもは静かな支局は興奮に包まれた。「オラクル」と言っても、それはハイテク大手・オラクル社の人間が支局に来たわけではない。またオラクル、つまり神託(しんたく)が下ったわけでもない。  それは、ホライズンの最高意思決定機関であるザ・カウンシルから届いたレポートなのだ。オラクルには、ある事件の背景や真相が詳細に書いてあり、ホライズンのジャーナリストたちはそれを元に記事を書いて公表する。だが、部外

          辞書を引こう 

           最近、ある若者が語彙(ごい)を身につけるために、読書をしていることを知った。私はその行動を批判するつもりはなく、それはそれで良いと思う。読書は言葉を身につけるだけでなく、思考力を鍛え、想像力を育む(はぐくむ)ものであるからだ。すぐに効果はでないかもしれないが、気楽に続けると長い目で見て、たくさん得るものがあるだろう。  私はそんな向学心に燃える若者に提案したいことがある。 それは辞書を引くことだ。辞書といっても、広辞苑のような分厚い大辞典でなくてよい。私が身近に置いてい

          ライオン狩り事件 愛国者学園物語 第213話

           ファニーの事件から数年が過ぎた。 強矢悠里が通う愛国者学園は、派手な パフォーマンスを繰り返していた。愛知県に学校があるのに、子供たちは頻繁に上京しては、第二次世界大戦当時の軍歌を歌うコンサートを開催したり、鼓笛隊を繰り出して都内をパレードする「首都大行進」をやっては、人々の目を引いた。また、政権与党の政治家たちのイベントに参加することも当然のように行っていた。学園の背後には、豊富な活動資金を出す支持者や支援企業の群れがあり、学園はそれに支えられて、パフォーマンスを繰り返

          フランスパンの歌 愛国者学園物語 第212話

          ファニーへの抗議は、日本人至上主義者たちの怒りを、特に暴力的なそれを際立た(きわだた)せた。  その一員である作家の赤城智彦は「 ファニーという名の暴力」という論考を、日昇新聞(にっしょうしんぶん)に投稿した。それは、ファニーの言動は日本国と日本人への暴力であり、あの女に親切にした我々日本人への裏切りである。だから、私たちはあの女の暴力に対して実力行使で立ち向かうべきなのだ、という内容だった。  その主張に多くの日本人至上主義者たちが賛同した一方で、厳しく非難した人々も

          ホライズンのクレド 愛国者学園物語 第211話

             ファニーの本のおかげで、三橋美鈴はさらに有名になり、日本人至上主義者たちはその名を侮辱した。彼らは美鈴がファニーの同僚だったから、この本が書かれた理由を知っているに違いないと思い込み、一方的に怒りを増幅させた。美鈴がホライズンだけでなく、各種の媒体で、ファニーと自分は親しくなかった、だから、彼女があの本を書いた理由を知らない、と繰り返し主張したにもかかわらず、日本人至上主義者たちの怒りは収まらなかった。彼らはネット上で怒りをぶちまけるだけでなく、実家のみつはし肉店の電