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【#19】白昼のラスベガス

それは4日の日程で行ったラスベガス旅行の3日目の出来事だった。

ラスベガスは眠らない街。

24時間カジノがオープンしていて、夜中は人通りこそ少なくなるものの深夜帯でも道にはポツポツと人が歩いている。

1日目、2日目と特に何のトラブルもなく、とても楽しくラスベガスを満喫していた。

24時間人も歩いているので、なんて安全な場所だと思い込んでいた。

そして迎えた3日目。

朝早く目覚め、特に目的もなくラスベガスの中心のメインストリートを歩いていた。

すると、道でデモCDらしき物を配っているアーティストらしき黒人の青年達を発見。

その昔20年前にLAを一人で旅した時の事を思い出した。

初めて一人旅を経験した18歳の夏。

サンタモニカのプロムナードと呼ばれる大道芸人が集まる道で、ラップをしている黒人の少年達にデモテープを貰った記憶が蘇った。

とても感じの良い少年達で、その時はとても親切にしてくれたのを覚えている。

18歳LA

38歳ラスベガス

とか考えていると、黒人の青年が近づいてきてCDを手渡して来る。

デモを配っている若いアーティストか、と思いながら「Thank you」と言ってCDを受け取る。

すると、何故か二人に壁際まで追い詰めらる。

二人はしきりに自分達がどれだけ日本が好きなのかをアピールしてくる。

しかし、どことなく表情が必死! そして汗だく! そして目が血走っている!

そんなに日本が好きなのか、、、とか呑気な事を考えていると

「俺たちと一緒に写真を撮らないか?」

言われるがままに一緒に写真を撮る。

するとすかさず、

「CDにお前の名前書いてもいいぞ」

言われるがままにCDに名前を書く。

立ち去ろうとすると

再び壁際に追い詰められる! 

何を言い出すのかと思うと

「お前写真撮ったよな? 撮影代20ドル!! すぐに払え!」

??

更に

「お前CDに名前書いたよな? それはお前の名前が書いてるからお前の物だな。20ドル払え!」

??

唖然とする。

NOと言った。

すると思いっきり壁の隅の方に二人組に追い詰められて、鬼の形相で迫られた!!

危険を感じたので、さっさと40ドルを支払う。

二人組は40ドルを受け取りながらも、視線は僕の財布にくぎ付け。

財布の中の100ドル札が見られてしまったようで、完全に100ドル札がロックオンされている!

再び道を塞がれて、「お前の100ドル札と俺達の札を両替してあげよう」と意味不明なことを言っている。

彼らが持っていたのは1ドル札とか5ドル札ばかり。

どう考えても言っていることの意味が分からない!

「いらない!NO!」

と言った。

すると、なんと!!

一人が僕の財布を思いっきり掴んでひったくろうとして来た!!

これだけはさすがに何があっても渡してはいけないと思い、全力で引っ張り合いをする。

そして僕が大声でNOOOOOOOOOOOOOO!!と叫んだところで二人組は観念して去って行った。


大声で叫んだお陰で周りの人達が異変に気付き始めて、それを察知した二人組は足早に去って行った。

時間は正午。場所はラスベガスのど真ん中。

人通りもかなり多かった。

しばらく茫然とした。


まさか、あの人通りが多い道で、しかも昼間にそんなことが起きるとは想像もしていなかった。


完全に浮かれていた、、、


旅行中に道で話しかけられた時の対処法

基本的に無視を徹底するのが一番。

普通の人はいきなり知らない人に話しかけないので、普通に考えると不自然ですよね。


もし会話になってしまったとしても

相手が出してきた物を触らない。

手に取らない。

そして、財布を見せない。


その日以来徹底しています(笑)


最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

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