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#眠れない夜に
大切な何かを手に入れる為に、手持ちの大切なものを手放す必要があるこの世のルール
いま思っても最低だけど、ぼくには選択肢がありませんでした。将来の夢を決定するほど強力な呪いをかける彼女にとって、大学生のカップルを破局させるくらいたやすいわけです。
それでもってまた更にぼくの卑怯なところが、その時の交際相手のことを過度に傷つけず、且つ、それまでで培った大学のコミュニティも壊したくないと思ってました。
平たく言えば、「好きな人ができたから」ということを突きつけるのが嫌でした。
シマウマはタテシマ、ぼくはヨコシマ。
確か8月か9月か、それくらいだったと思うんですが、働いていた居酒屋さんに新しいバイトの人が入ってきて、彼は都内のミッション系の大学に通う学生でした。
「そっかあ、小沢くんはフリーターなんだ」と言ったあと、「おれの大学ね、女の子が可愛いで有名なんだよ」と言いました。
ぼくはその瞬間、その大学に行くことを決めました。
どうしてかと言うと、ぼくは中学生から高校生までの6年間男子校で、呪いをかけた彼
昼に寝て夜働いてお金と時間を捨てる
だいぶ端折ることになりますが、予備校はろくに通ってなかったので、大学受験は見事に失敗に散ります。というか、勉強してないので本来入試を受ける資格もないのですが。
もっと詳しく話すと、大学なんてどこでもいいし、親の期待に応えるためだけに、名前を書けば受かるようなとこを適当に受けとくか(どうせ小説家になるし)、とか思っていたのですが、なまじ某有名大学の附属高校に通っていたせいで、親からその大学以上の大