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呪いと夢の文学者

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箸にも棒にもかからないどうしようもない人間が父親になるまで軌跡の垂れ流し。
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2022年4月の記事一覧

大切な何かを手に入れる為に、手持ちの大切なものを手放す必要があるこの世のルール

大切な何かを手に入れる為に、手持ちの大切なものを手放す必要があるこの世のルール

いま思っても最低だけど、ぼくには選択肢がありませんでした。将来の夢を決定するほど強力な呪いをかける彼女にとって、大学生のカップルを破局させるくらいたやすいわけです。

それでもってまた更にぼくの卑怯なところが、その時の交際相手のことを過度に傷つけず、且つ、それまでで培った大学のコミュニティも壊したくないと思ってました。
平たく言えば、「好きな人ができたから」ということを突きつけるのが嫌でした。

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「モテるのは簡単なの、男なら自分を小さく見せる、女なら相手を大きく見せる、それだけ。」

「モテるのは簡単なの、男なら自分を小さく見せる、女なら相手を大きく見せる、それだけ。」

今思えば、彼女は猫みたいな女の子でした。突然現れて、急にいなくなると言い出して、ぼくはそれを拒んだけど、一方的に消えて、望んでいない時にまた現れるのです。

そういえば、誰かの名言に「猫と女は呼んでない時にやってくる」みたいなのありましたね。
誰だか忘れましたが。

ぼくは彼女にすぐ返事をしました。
「ひさしぶり。いままでどうしてたの。」
「どうもしない。普通に暮らしてたわよ。」
「どうして急に連

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シマウマはタテシマ、ぼくはヨコシマ。

シマウマはタテシマ、ぼくはヨコシマ。

確か8月か9月か、それくらいだったと思うんですが、働いていた居酒屋さんに新しいバイトの人が入ってきて、彼は都内のミッション系の大学に通う学生でした。

「そっかあ、小沢くんはフリーターなんだ」と言ったあと、「おれの大学ね、女の子が可愛いで有名なんだよ」と言いました。

ぼくはその瞬間、その大学に行くことを決めました。

どうしてかと言うと、ぼくは中学生から高校生までの6年間男子校で、呪いをかけた彼

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昼に寝て夜働いてお金と時間を捨てる

昼に寝て夜働いてお金と時間を捨てる

だいぶ端折ることになりますが、予備校はろくに通ってなかったので、大学受験は見事に失敗に散ります。というか、勉強してないので本来入試を受ける資格もないのですが。

もっと詳しく話すと、大学なんてどこでもいいし、親の期待に応えるためだけに、名前を書けば受かるようなとこを適当に受けとくか(どうせ小説家になるし)、とか思っていたのですが、なまじ某有名大学の附属高校に通っていたせいで、親からその大学以上の大

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愛と哲学と高校生

愛と哲学と高校生

前回の続きです。

果たして、ぼくは小説家になると決めるわけです。幸いなことに、ぼくは本を読むことが好きでした。高校の授業中も勉強そっちのけでよく本を読んでました。(そんなことをしてるから大学進学を逃すのだけど)

ただ、もちろん小説も読んでましたけど、小説がとりわけ好きなわけでもなく、落語の本だったり哲学書を好んで読んでました。むしろ小説は少なかった気もします。それでも「本」というものに抵抗はな

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ダメ人間が父になりそうなので手記的な

ダメ人間が父になりそうなので手記的な

妻が妊娠したことを報告してくれて1ヶ月とちょっと経ち、感慨深く思うところがあり、何かにそれを残したいと思っていたのだけど、わざわざブログを始めるとかはどうもピンとこなくて、そういえばnote登録してたな、と思いまして。

今となっては、一部上場企業の管理職でなに不自由ない生活をしてるけど、これまでを振り返るとまあひどい体たらくな人生だったと我ながら思います。

ちなみに、ここなら誰も見てないから、

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