海運業界の大変革を担う!事業開発メンバー×エンジニア対談
今回は、JDSC物流ユニットの海事領域でコンサルタントをしている藤原悠城さんと、同じく海事領域でエンジニアをしている朝倉俊輝さんにインタビューします!
ー まずはお二人の経歴を教えてください。
(藤原)
私は新卒1年目からMSCという海運会社に入社し、 経営企画室から営業カスタマーサービスとして上流から下流まで経験してきました。入社から丸6年経ったタイミングで転職を決意し、JDSCに参画しています。
現在は船舶の生涯価値をデータで可視化するという事業モデル実現のためにseawise事業に携わりつつ、その他物流系プロジェクトにも関わっています。
入社のきっかけなどは別の記事で書かせていただいています。
(朝倉)
私は大学生の時にソフトウェアエンジニアのインターンとしてJDSCにJoinして、1年半ほど物流系のプロダクト「Demand Insight」の開発に従事した後、新卒社員として入社しました。
入社したタイミングで海事領域のプロジェクトに参画し、現在は船の生涯価値を向上させるためのデータプラットフォームの開発に従事しています。
私もインターン時代のエピソードや正社員になったきっかけなどを、別のnoteで書かせていただきました。
(藤原)
朝倉さんはインターンからJDSCにJoinしているんですが、 これ結構すごい話なんですよ。当社では中途採用と連携のある東京大学から数多くインターンを採用している中で、インターン枠を勝ち取って正社員採用になった数少ないエンジニアなんです。
(朝倉)
最初はインターンとしてJoinしたんですが、真面目に開発業務に取り組む中でエンジニアとして大きく成長できたので、新卒採用のお話をいただけたという感じです。
ー 朝倉さんの場合、他社でもインターンをしていたと思いますが、得られる経験など何か違いはありましたか?
(朝倉)
はい、ありました。JDSCはインターンという立場であっても、やりたいことに手を挙げたら基本的に何でもやらせてくれるので、幅広い経験が得られました。
自分の場合、最初はQAエンジニアみたいなroleでしたが、アプリケーションの開発がしたいと言ったらバックエンドの開発に参画させてもらえましたし、クラウドサービスを使った仕事がしてみたいと言った時は、GCPを使ってインフラ構築するタスクを任せていただきました。
ー 職種に囚われず興味があれば何でも挑戦できるところは、三位一体が強みのJDSCならではという感じがします。
ここからは、seawiseが目指している世界と、お二人が関わっている具体的なプロジェクト内容を教えていただけますか?
(藤原)
先ほどから何度か出ているキーワードですが、目指しているのは「船舶の生涯価値向上」です。
情報が不足している状態で物事の価値を適切に判断することは難しいかと思います。なので、良いものを良いと言えるようにする状態をデータの力で実現できないかと動いています。
seawiseという名前の由来ですが、データの力を用いて業界全体でwiseに(賢く)なろうとしており、そのためにもデータを集め、分析できる状態をつくるというフェーズにいます。
(朝倉)
なかでもデータ収集・データ分析の具体的な取り組みの一つとして、洋上にいる各船舶から航海状況のデータを毎日取得し、それぞれの船における燃費性能を算出&可視化、分析をすることで船の経年劣化を適切に認識できるようにしています。
また、現時点の燃費を割り出すだけでなく、取得したデータを元に将来的な燃費性能の予測も行い、より詳細に船の健康状態をチェックすることに取り組んでいます。
ー 燃費の割り出しや船の健康状態チェックにあたり、複数のデータを取得していると思いますが、具体的にはどういったデータを取得しているのでしょうか?
(朝倉)
各船舶のセンサーから取得できるデータと、常石造船様から提供していただいた船の修繕データです。この2種類のデータを組み合わせることで、燃費性能をより正確に把握することができ、その後の行動の改善に繋げることもできます。
ー seawiseはJDSC初となる ジョイントベンチャーとして 立ち上がっていますが、seawiseにおけるJDSCの立ち位置を教えてください。
(藤原)
システム開発ベンダーという立ち位置が一番理解しやすいかと思います。seawiseは、JDSCと常石造船 、三井物産との合弁会社として立ち上がっており、当社はそのseawiseからの業務委託という形でプラットフォームの開発・保守をしています。
他社様とは非常にフラットな関係性を築けており、船舶の生涯価値をデータで可視化し、最大化していくというビジョンを業界全体に波及させるという目的のもと、互いにサービス向上に向け動いています。
(朝倉)
藤原さんから、JDSCの役割が業務委託としてプラットフォームの開発を進めること、とありましたが、私の役割はアプリケーション開発です。
現在、中核サービスのNoon Reportと呼ばれるアプリケーション開発に従事し、世界中に存在している船舶の状態を可視化したり、日々船舶から送られてくるデータを用いて現状の船の性能を分析できる仕組みを作っています。
ー なるほど!当社の立ち位置が分かりました。ちなみに、seawiseプロジェクトにおけるお二人の具体的な役割はどういったものでしょうか?
(藤原)
私自身seawiseに携わり始めたのは2023年の4月からで、ユーザビリティの向上を目的とした要件定義や運用保守、本船との導入までのフォローアップを含め、幅広く任せていただいております。その部分で朝倉さんとも連携しています。
(朝倉)
私は船舶のあらゆるデータの取得、保存、分析を可能にするためのアプリケーションやデータプラットフォームの構築を行なっています。
インターネットの繋がらない洋上で使用するアプリケーション等もあり、業務要件を検討するメンバーやお客様とコミュニケーションを取りながら、ユーザーにとって更に使い勝手が良くなることを意識しながら機能開発を行なっています。
(藤原)
朝倉さんとは 現在、Noon Reportの中核機能のサービス品質向上に向けた業務を行っているんですが、すでに多くのユーザー様に利用いただいており、登録隻数も右肩上がりで純増しています。そんな中でたくさんのフィードバックをいただけているのも有難いですよね。
(朝倉)
そうですね。ユーザーの方から沢山フィードバックをいただけており、その分、機能追加や機能改善できる余地があるため、今よりユーザビリティの高いアプリケーションにしていきたいです。
ー サービス開始当初より様々な改修があったと思いますが、率直にここまでの感想を教えてください。
(朝倉)
そうですね。船の領域ってこれまで生きてきた中でもほとんど関わりのない領域だったので、船舶ドメインの理解が大変というのが率直な感想です。
ですが、ジョインして半年以上経っているので業界用語の意味や、自分が作っている機能のユースケースも分かるようになり、以前よりお客様の要望理解や開発速度は上がったと思います。
(藤原)
船舶業界って独特の言い回しや日常では使わない単語が多すぎて 、そこの理解から必要なのが大変ですよね(笑)
(朝倉)
ほんと仰る通り、そこから大変です(笑)
藤原さんは前職で海事領域の会社にいたということなので、専門知識の理解の部分ではあまり苦労しなかった感じですか?
(藤原)
実は少し苦労する部分もあるのが正直なところです。
前職は主に海事系の中でも海運業に携わっていたので、seawiseの現在のメインターゲットである船舶/造船業界は決して遠くもないですが、少しチャレンジングな仕事をしているなという感覚があります。
(朝倉)
なるほど、同じ海事とはいえ若干異なるんですね。ちなみに、具体的にどう違うんですか??
(藤原)
簡単に言うと、ドライバーと自動車メーカーは違うっていう話に近いと思います。
物を運ぶドライバーが海運業、自動車メーカーが造船業のようなイメージで、ドライバーも日々のメンテナンスなど自分でできる範囲はあるものの、専門的な部分は自動車メーカーにお願いしないといけない現実はあると思います。という感じなんですが、なんとなく伝わりますかね?
(朝倉)
伝わります!例えが分かりやすいです!
(藤原)
実際私も開発側の用語などは毎日ググりながら仕事をしているので、気持ちは非常に理解できます!
ただ本当に驚きなのが、このプロジェクトに関わっているエンジニアの方って朝倉さん含めてほとんど文系出身なんですよね。
(朝倉)
そうですね。私の場合は商学部卒で、在学中は会計などを学んでいたので、情報系とはほぼ無縁でした。現在担当しているプロジェクトに参画している他のエンジニアも、文系出身の人が多い気がします。
でも皆さんレベルの高い「つよつよエンジニア」です!
(藤原)何もわからないところから、バリバリコード書くエンジニアになっているのが本当にすごいですね。しかも今では海外展開も視野にいれたプラットフォームの開発を行っているというギャップが(笑)
どうやってそこまでできるようになったんですか?
(朝倉)
自分の場合はインターン時代にシステムの開発・運用・テストなどの実務経験を段階的に積ませてもらったことが大きいですね。
社員の方にメンターとして付いていただき、自分のレベルに見合った仕事を振ってもらったことも成長につながったと思います。
あと、JDSCでは学びを推奨する制度として技術書やクラウドサービスのリソースを貸してもらえたりするので、それも十分に活用しながらスキルアップすることができました。
(藤原)
自分もメンター制度を活用しながら、少しずつ成長できる土壌が整っていることは感謝だなと感じています。
ー 最後にお二人から、今後のseawiseに関する意気込みを聞かせてもらえますでしょうか?
(藤原)
海事領域に関連する業界のDXって、本当に課題が山積みだなと思います。
解決したい課題に辿り着くまでの道のりが長く困難だなと。
ただ、だからこそ”UPGRADE”する甲斐があるなと思います。
seawiseとして新しいものも着々と仕込みが始まっているので、皆様にご報告できるのを楽しみに、引き続き業務に取り組んでいきます。
(朝倉)
データ基盤と、データ基盤に連携される各種アプリケーションを更に使いやすく改善して、より強固な船舶データプラットフォームを作っていきたいです。
それによって海事業界のDXを加速させ、”UPGRADE JAPAN”に繋げたいです。
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