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劇的に進化もできた2年 ~日経産業新聞 HRマネジメントを考える (2021.12)

年末の日経産業新聞の記事です。第23回目。年内最後の連載でもあったのでコロナ禍に揺れた2年間の振り返りをしました。第21回、第22回をまだNOTEに転載できてないのですが、年末なのでこちらを優先させていただきました。昨年の3月、4月。今から振り返ると「いい仕事したな」と実感します。その時は日々が一瞬のように過ぎ去っていただけでしたが…。あの仕事経験は自分の中に間違いなく根付いていると思いますし、実現した様々な施策も根付いています。本気になれば今までできなかったことができる、本気にれると大勢の人の協力が得られる、本気になれば過去の前例など関係ない、そんな仕事の本質を学べたように思います。ある意味、仕事なんて本当に本気になるかどうかだけの問題のように感じました。

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日経産業新聞 HRマネジメントを考える (2021.12)
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劇的に進化もできた2年
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2021年も残りわずかとなりました。この2年、私たちの仕事も生活も大きな変化に直面しました。やりたいことが自由にできない日々の切さも実感し、多くの命が奪われ、後遺症に苦しむ人、職を失った人もいます。振り返ると、できなかったこと、あきらめたことが脳裏にまず浮ぶのは仕方ありません。しかし、本当にそれだけだったでしょうか。過去のやり方を見直し、新たな方向性にカジをきった2年、多くのことを得た2年でもあるはずです。
ビジネス面では、劇的に浸透したテレワークが最大の変化かもしれません。特別な技術革新というより、組織として本気になっただけで実現できたのです。
テレワークがもたらしたのは「時間」です。片道1時間の通勤なら1日2時間が新たに生まれます。20日労働で月40時間、年480時間です。睡眠などを除いて1日16時間で考えると30日、なんと1カ月分です。私たちはテレワークによって「うるう月」を得たのです。家族での夕食の時間を得た家庭、育児と仕事をより両立できるようになったパパママ、良い変化は多数あります。
業務の工夫も進みました。DX(デジタルトランスフォーメーション)が流行語になりました。デジタル化で社会を良い方向に変えるDXに多くの組織が取り組みました。印鑑文化は崩れ、出張をしなくても会議や商談ができるようになり、会議のやり方も進化しました。不要な慣例的会議は淘汰されました。
テレワークは難しいと当初思われた現場業務でも、技術的な工夫に運用の知恵を加えて遠隔操作が可能になった例があります。私たちが2年間、本気で取り組んだ成果です。これらの変化がものすごいスピードで進んだことを考えると、組織の意思決定のやり方も少し洗練されたのかもしれません。
学びの世界も大きく変わりました。大学ではオンライン授業が続き、ぎこちなかった授業も教員の努力によって、オンラインの良い面も認識されるようになってきました。ある先生から、今までは教室の前の方に座る数名の学生の名前ぐらいしか覚えられなかったが、一人ひとりが逆に見えるようになったと聞きました。今後はリアルとオンラインの最適融合を追及することになるでしょう。
オンライン講座の最大のメリットは、学びの東京一極集中を崩せたことです。魅力的なセミナーはほぼ東京でしか開催されず、地方の人は多大な時間と費用を投入して上京するか、あきらめるかしかなかった実態が一変しました。会場手配が不要なため、その気になれば多くのセミナー・勉強会が開催できています。地方在住の学び手にとっては革命的です。採用面接も同様に地方学生の苦労が相当軽減され、やる気のある学生は就活の行動量を増やせています。
大変な日々を過ごしている方が多いことは間違いありませんし、誰しもがつらく不安な現実に向き合いました。ただ、得られた一面もあった2年なのです。大切なのは、むやみに元に戻すという思考停止的な行為に陥らず、本当の意味での新しい生活、新しい仕事を自分の頭で考えることでしょう。もう一度、本気になる。それをしっかりと考えた組織には、優秀な人が集まるはずです。
最後にもう一つ。人と出会えるということが、どんなに素晴らしいかも再認識できた2年間でした。

※写真は阿佐ヶ谷の「SUGAR SAKE & COFFEE」。炒飯に天穏、最高ですね。もう1枚、冨玲に水餃子もどうぞ。

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