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002 HRの2つの顧客

毎週水曜日にHRについてのまとめを書かなきゃいけないことにしたので、いろいろと整理ができるようになりました。締め切りがある人生っていいですね。物事が進みます。本当だったら自らに締め切りを課して何かができるというような強い精神力があればいいのだけども、人は弱い存在だからね、仕方がない。そうはできないのがかわいいところ。
で、連載のタイトルを創れてないのですが、何となく第2回目です。前回はHRの全般的なスタンスについて書いたので、今回は顧客です。ドラッカーを引用しなくても、顧客の定義の重要性はわかるかと思います。「あなたの組織が成果をあげるには、誰を満足させなければならないか」の「誰」が、顧客なのですが、その前に「組織の成果」って何だろうという問もありますね。HRという組織の成果は何だろう。皆で話し合ってみると面白いかもしれません。微妙に人によって違うんじゃないかな。目指す組織の成果が違うと、顧客も変わってくるわけです。次工程が顧客であるという考え方もあるのですが、それでは不十分であることがわかってきます。
学生に「お仕事について語ってね」といわれるときに、最初に顧客の話をします。仕事は1時間を過ごして時給という対価をいただく行為ではなく、成果を出すことをいうんだ、成果というのは顧客が満足する何かのことなんだ、だから顧客を意識しないと仕事って成り立たないんだ、というあたりのお話ですね。悪い意味でのバイト根性と仕事の違いです。
HR初心者は素直に顧客なんか意識しないで、目の前の仕事に真摯に取り組みます。ぴよぴよで可愛くてそれでよいと思います。でも、何か工夫をしたり、新しいことをしようと思うと、自然の顧客という概念が沸かざるを得ません。最初の勘違いは、顧客=上司。これ、一概に間違いではありません。ただ、上司の先にあるのが本当の顧客です。上司が嫌な顔をしても反対しても、やらなきゃいけないことはたくさんあります。それは誰のためにやるのか、それが本当の顧客です。次のステップの勘違いは、顧客=社員。新卒採用担当だと、顧客=学生、というのもあります。これらもまったく間違いではありません。でも、本当に社員や学生が満足することをやればいいのかというと、絶対にそうではありません。その視点しかないと、いずれ会社は潰れます。そう、いうまでもなく、HRの顧客は2つあって、1つは社員(学生も入れていいでしょう)、もう1つは経営なのです。顧客が2つある、これがHRの仕事の絶対的に面白いところです。時にこの2つは正反対のことを求めたりするわけです。企業内労働組合のある会社の労使交渉ってのは、そのぶつかり合いの場ですね。もはや、労働組合のある会社なんかで働いている人はごく少数という現実を考えると、大半の会社にはそういった労使のオフィシャルなぶつかり合いの場はありません。となると、経営と社員はHR担当者の頭の中で、心の中で時にぶつかり合うのです。
この話、昔から言ってるので、いろいろなところで書いたり、語ったりしています。日経産業の連載を引用しておきます。このときは、二つの顧客と二人の上司をあわせて語っています。



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