【今日も元気ですか！】　　　　　　　シニア期をワンダフルエイジに！　　「生きがい」と「ウェルビーイング」について

前回はシニアと「生きがい」についてお話をしました。今回は「生きがい」を「ウェルビーイング」の視点から考えたいと思います。「ウェルビーイング」は日本語で「幸福」とか、「福祉」と訳されることが多くあります。私は「ウェルビーイング」を「あるべき姿」と捉えています。

自分は他人

もともと人はその人本来の自分を持っています。個性とも言うべきものです。しかし、自分が成長して行く過程でどんどん自分が変わっていってしまいます。いつの間にか他者の考えや業界の常識や時代や国や地域の価値観が白いキャンパスの上に塗り込まれるかのように本当の自分の考えがどんどんレイア―の最下位に落とされてしまいます。

私は高校３年生の時に19世紀の詩人ランボーの「自分は他者」にふれた時に衝撃を受けました。「自分が他者というのはどうゆうこと」と考えました。受験を控えていたので、どの大学に行くかを決めていました。私は理科系が得意だったので、迷わずに工学部を選んでいました。でも、私が理系を得意なのは父親の影響でした。父親が旧帝国大学の航空宇宙工学科を卒業していたからです。この理科系が得意な自分は本当の自分なのだろうかと疑問を抱きました。そして、私は何をしたいのだろうか、もともと持っていた才能はなんだったのだろうか。私は自分が選んで好きになっていたものを探したところ、あったのが映画でした。映画が好きだったので、役者になるのはどうだろうかと突然思い、俳優養成学校を受験しました。合格通知が届きました。私は「これは誰からも教えてもらっていない、自分の力で切り拓いたものだ」と受け止めました。これが本物の自分だ。俳優学校に入学して勝新太郎氏と出会うことになりました。

芸能界という他者

俳優養成学校を卒業して勝プロの芸能部の所属となりました。一生懸命、いい役者になれるように挑戦をしました。しかし、次第に芸能界の価値観が自分に沁み込んで行きました。芸能界という他者が私になっていったのです。人って面白いもので、「成長とは他者の考えを自分のものにすること」のごとく生きていると思いました。

その考え、自分の考え？

自分の中に何百と言う他者が住んでいて、その考えは本当に自分のオリジナルの考えですか？友人が言った言葉、学校の先生の言葉、マスコミの影響、時代の雰囲気、いろいろなところから、今の自分になるために必要なものを、これはいいと思ったものを吸収していませんでしたか。友人がロックを好きだったからロックが好きになった。時代が求めていた業種だったから、その職業を選んだ。その職業がかっこよかったから。気がつくと、オリジナルの自分はどこに行ってしまったのか。自分は何を求めて、何をしたかったのだろうか。

「ウェルビーイング」=「あるべき姿」

そのような自分だからこそ「ウェルビーイング」=「あるべき姿」を求めることができるのです。あなたの本来の「あるべき姿」は何でしょうか。それを探すのが「ウェルビーイング」の道なのです。誰もが生まれたきたからには、オリジナルの自分を抱いています。その自分を生きることができるのが「シニア期」と私は考えています。何も分からずに、社会に出ざる負えなかった。そして定年への道を歩むことになりました。そこでは、生きるために、勝ち抜くために手にいれなければならない考え方や概念、技術が必要でした。それはけっして無駄なことではありません。しかし、ここからです。自分の「あるべき姿」に戻れるチャンスが到来しています。そのことを「シニア期」の今、考えてみましょう。

「あるべき姿」は「生きがい」につながる

「あるべき姿」とは、もう一人の自分。オリジナルの自分。自分の「あるべき姿」を求められるのがシニア期です。肉体は加齢に伴い、衰えて行く時期が精神において、志において、人間性においては成長が著しくできる時期であることにとても不思議な感じがします。この時期は今までの肩書や世間からの評価を超えて、あなた自身の生きる姿が価値の対象になります。あなただから、この仕事を頼みたい。あなたにお願いしたい。そのような関りがシニアの仕事になる時代がくると私は考えています。つまり、あなたにとって「生きがい」を得られる時がシニア期でもあるのです。シニア期は人生の収穫の時期です。実をつける時期です。今迄の人生の辛苦があったからこそ、果実が出来上がるのです。私はこの時期を『彩秋時代』と命名しました。（詳しくは第１話を参照　https://note.com/jazzy_willet5717/n/nb32ef5898c62　）人生地図の最後にこのような時期が用意されていることは人生の神秘です。あなたの果実をあなたの生涯の中に実らせませんか。その要素はすでにあなたの中に蓄えられているのです。種はまかれて、育っています。あなたの「あるべき姿」は現れることを待っているのです。

関心のある方はぜひ「スキ」を押してください。共に新しいシニアの時代を創って行ければ幸いです。

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